第41話 日記：１ ページ41
ソファで本を読んでいると、俺のために淹れたコーヒーをテーブルに置いたソミンが話しかけてきた。
「ねぇ、オッパ♪」
ソミンがソファ越しに後ろから俺の首に腕をまわし甘えた声を出すときは、何かおねだりをしたいときだった。
「何？ 何かあった(笑)？」
「いつ日記を見せてくれるの？♪」
「…日記？」
「お友達が教えてくれたの。
昔、オッパがインタビューで好きな人には日記を見せるって言ってたって。
いつ私に見せてくれるの？
今も書いてるんでしょ？♪」
「・・・」
＊＊＊＊＊回想＊＊＊＊＊
Aの眠りが深くなる頃、日記を書き忘れたことに気づいた俺は、ベッドを抜け出し書斎にいた。
---コンコン---
「チャンミンさん、眠れないんですか…？」
俺がいないことに気づいたのか、Aが目をこすりながらドアから顔を覗かせた。
その様子からAの子供の頃が想像できた俺は、思わず顔がニヤけてしまった。
「おいで…」
声をかけるとAはトコトコとやってきて、俺が腕を引くと、ごく自然にAは俺の膝にストンと座った。
「チャンミンさん、何してるんですか？」
「ん？ 日記、書いてた」
「日記?!! チャンミンさん、すごいですね〜(驚)」
「(照)」
「でも、毎日忙しいのに… 大変じゃないですか？」
「ん〜。でも、自分が経験したことや感じたことを、全部覚えておくのは無理じゃん。
幸せなこととか嬉しいこととか…ムカついたことも悲しかったことも、全部日記に書いておけば、自分の記憶をしまっておくことができるかなって思ってさ…」
「・・・」
「読んでみる？」
「えっ!!(驚) そんな… 日記って人には見せないものじゃないんですか？」
「ん〜、でもAならいいよ♪」
昔からプロポーズには日記を見せるって決めていた。
Aは『日記を見せる』って意味を知らないけど、Aとの将来を考え始めていた俺は、Aになら日記を見せてもいいと思っていたし、むしろ見て欲しいと思っていた。
でも、Aの返事は意外なものだった…
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作者名：Miyu | 作成日時：2020年9月24日 11時
