第22話 誇りを持つ仕事 ページ22
「俺の仕事は、彼氏にしたくないって女の子もいるんだ。だから···」
「チャンミンさん」
Aは、俺の言葉を一旦遮った。
「チャンミンさんは、自分の仕事に誇りを持ってますか？」
「えっ!!(驚)」
「自分の仕事を、胸を張って人に言えますか？」
誇り・・・ 胸を張って・・・
「言えるよ、もちろん。
人の心や人生に寄り添える仕事だって思ってる。
こんな仕事、他にはないって思ってる」
「じゃあ、何の問題もないと思いますけど」
あまりにも事も無げに言うAは、芸能人と付き合うことを軽く考えているようで
俺は不安になった。
「いや、だから、そうじゃなくてさ···」
「何ですか？」
「この仕事は、なかなか会うことができないんだよ。
特にAは、イタリアに住んでるわけだし」
「・・・」
「いや、同じ韓国に住んでたとしても、思うようには会えないんだ!!」
「大学に考古学を専攻してる友達がいるんです。
発掘に行ってるときは、1年に２回くらいしか会えないらしいですけど、彼と仲いいですよ」
「…(唖然) いや、それはかなりレアなケースだろ?!!」
「そうですか？」
「普通なら、買い物に行ったりカフェに行ったりするけど、写真を撮られるかもしれないから
デートもままならない!!」
「…パパラッチでしたっけ？」
「そう!! それに普通なら誕生日とかクリスマスとか記念日とか一緒に祝って過ごすもんだけど、それも無理!!」
「チャンミンさん…」
「何?!!!」
状況を把握してないようなAの態度に、俺の声はボリュームが上がっていった。
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作者名：Miyu | 作成日時：2020年9月24日 11時
