第21話 俺の正体 ページ21
「もうすぐ除隊するんだ···」
「そうですか··· えっと···
こういうときって、お疲れ様でしたって言うんでしょうか···(悩)」
「(笑) それで、これからのことなんだけど···」
「これから···ですか？(困惑)」
「単刀直入に言うけど···(ﾊｧ) ···」
俺は大きく息を吸った。
「俺は、Aのことが好きだ。
だから付き合って欲しいと思ってる」
「··· 私は ···」
「ちょっと待った!! もちろん返事は聞きたいけど、その前にもう１つ聞いて欲しいことがあるんだ。
返事はそれを聞いてから考えて欲しいんだ」
「??」
「俺の仕事なんだけどさ···
Aは、俺の仕事って何だと思ってる？」
「仕事ですか？
ん〜、深く考えたことないですけど··· 英語も日本語もできるから···
海外出張が多いサラリーマンとか··· あっ! 外交官とかですか？」
「(苦笑) Aは、東方神起って知ってるかな？」
「東方神起？ 何ですか？」
今まで話していてAは俺の仕事を聞いてこなかったから、もしかしてと思っていたけど
やっぱりAは、俺が何者かも、東方神起のことも知らなかった···
「実は··· 俺、歌手なんだ···」
「歌手？(驚)」
「うん。２人組で東方神起というチーム名で活動してる」
「歌手？ チーム？
嵐とかOne Directionみたいなものですか？」
「ん、まぁ、そこまですごくもないけど(苦笑) 韓国と日本を中心に活動してるんだ」
俺は今まで出したCDやDVD・写真集を、テーブルに並べた。
「ホントだぁ··· チャンミンさんですね···(驚)」
Aは写真集をペラペラめくりながら、写真集の中の俺と目の前の俺の間に
何度も視線を行き来させていた。
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作者名：Miyu | 作成日時：2020年9月24日 11時
