第19話 信用 ページ19
♪ピンポーン♪
モニター越しでもわかるほど緊張した面持ちのAが、１０ｃｍ四方の中にいた。
３０分に感じるほど長く感じた５分後、今度は玄関のインターホンが鳴った。
--- ガチャ ---
「いらっしゃい」
「…こんにちは… 」
「ここまで迷わなかった？」
「はい… タクシーで来たので…」
「どうぞ、入って」
「・・・」
「ん？ どうした？」
やっぱり警戒してるのか、Aはなかなか中に入ろうとしなかった。
「ごめん… やっぱり、不安だよね」
「・・・」
「でも、Aとじっくり話せる場所は、ここしか思いつかなくてさ···」
「・・・」
「Aが嫌がることは誓ってしない。
俺のこと、信用してもらえないかな？」
「・・・チャンミンさんのことは、信用しています…
「なら…」
「・・・ ひとつ勘違いしないで欲しいことがあるんですけど…」
「何？」
「・・・ 私… 男の人の家にホイホイ行くような女だって、チャンミンさんに思われたくないです…」
「・・・」
「私… チャンミンさんだから来たんです。
チャンミンさんのこと、信用してるから…」
頬を赤らめながらも毅然とした瞳で話すAを思わず抱きしめたくなるのを抑えるのに、
俺の理性はフル回転していた。
「そんなこと… 思わないよ。
今までAと話してきて、Aはそんな子じゃないって思ってるし
俺もAのこと信用してるから…」
「・・・おじゃまします…(ﾌｩｰ)」
俺の言葉にホッとしたように小さく息を吐くと、Aはようやくスリッパに足を入れた…
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作者名：Miyu | 作成日時：2020年9月24日 11時
