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第15話 お願い ページ15
「あのさ···お願いがあるんだけど···」
「何ですか？」
「週末はiPhoneが使えるから、何かメッセージ入れといてもらえないかな」
「メッセージ？」
「あっ！ ごめん、変なお願いだよね(苦笑)」
「いえ、そうじゃないんです···
どんなことを送ればいいのかなって思って···」
「何でもいいんだ。
ただ、1週間ぶりに見たとき、何も来てないのが寂しいっていうか···(苦笑)
うまく言えないけど、今までの日常が全く感じられなくなるのが怖いっていうか···」
この国に生まれたからには、兵役に行くのは当然というか、仕方がないと思っていた。
だから、兵役につくことが嫌なわけじゃない。
ただ、義務警察とはいえ、どこか不安で···
誰にも話さなかったそんな不安を、なぜかAにはスラスラ話していた···
「わかりました。 送ります」
「ん、楽しみにしてるよ」
「チャンミンさん、気をつけて行ってきてください···
くれぐれも、ケガしないように···」
「うん、ありがとう」
「じゃあ、また···」
「うん、また···」
俺達は、いつも通りのあいさつでSkypeを切った。
「あっ！ しまったな···(汗)」
不安を溶かしてくれるような暖かい笑顔を見せてくれたAをスクリーンショットしておかなかったことを、俺は後悔した···
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作者名：Miyu | 作成日時：2020年9月24日 11時
