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第14話 入隊 ページ14
入隊するときがきた。
一時、先が見えない闇に迷い込んだときもあったけど、今まで走り続けてきたこの世界を2年間離れることになる。
正直、もうやめようと思ったこともある。
でも今は、2年間務めあげたらこの世界に戻ることに、迷いはなかった。
Aには、ギリギリまで入隊することが言えなかった。
でも、これから2年間は、今までのように話すことはできなくなる。
今からAに話す。
Aにも、この時間は空けてもらっている。
今まで、話をするのもリモート飲みをするのも、前もって約束をしたことはない。
今までと違うことに、何かあるとAは感じているかもしれない…
「A、聞こえる?」
「はい。チャンミンさん、こんばんは ···(驚)!!」
「へへ、切っちゃった···(笑)」
坊主頭になった俺を見て、Aは目をクリクリさせて驚いていた。
「バリカンで髪切るなんて、初めてだよ(笑)」
「どうしたんですか、その髪？
気分転換にしては、ずいぶん思いきったんですね」
「あのさ··· A···」
「はい···」
「俺、明日入隊するんだ···」
「入隊？」
「知らない？ 韓国には、徴兵制度があるんだ」
「あ·· そういえば···」
「明日から2年間、行ってくる···」
「・・・」
「休日しかiPhoneは使えないから、今までみたいには話せなくなる」
「そうですか···」
最初はピンときてなかったAも、「話せなくなる」この一言でようやく事の次第が飲み込めたようだった…
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作者名：Miyu | 作成日時：2020年9月24日 11時
