紫陽花物語～絆・Changmin ～第３章 (ページ8)

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第108話　彼女の家：2 ページ8

「チャンミンさん、好き嫌いある？」

ハルが冷蔵庫の中を見ながら、俺に聞いてきた。

「いや、特には…」

「そう、よかった。

まぁでも、嫌いなものがあっても、関係なく作っちゃうけど(笑)」

「えっ?!」

「僕、言ったでしょ。チャンミンさんのこと、パパとは思えないって。

それに…やっぱりママのことで許せないところもあるし…」

「・・・」

「だから、ちょっとくらい意地悪してもいいよね(笑)」

「・・・(汗)」

「食事はいつもハルが作るのか？」

「夜ごはんはね。朝とお弁当はママ」

「ふ～ん。何か手伝おうか？」

「そう？じゃあ、これみじん切りにして」

「了解」

「そっか、チャンミンさん、料理するんだったね。

インスタにも、料理の写真ポストしてるもんね」

「よく知ってるな」

「言ったでしょ、いろいろ調べたって(笑)」

「・・・(苦笑)」

・
・

「あのさ…」

「何？」

「どうして、俺なんだ…？」

「ん？どういう意味？」

「どうして、俺にAを託そうと思ったんだ？」

「僕のパパだからだよ」

「いや、そうじゃなくて…」

「じゃあ、何？」

「君は、俺が君の父親っていう理由だけじゃ、Aのことを俺に頼んだりしないだろ？」

「僕のパパっていうのは、大きな理由になると思うけど(笑)」

「でも、それだけじゃない… 違うか？」

「・・・さすがチャンミンさん、鋭いね(笑)」

そう言って、ハルはフライパンの火を消し、棚に飾ってあるたくさんの写真から２．３個選び、ダイニングテーブルに並べた。

「これ、何かわかる？」

「何って、Aと君の写真だろ？

これが誕生日… これは、入学式か？」

「ん～、まぁそうなんだけど、そうじゃなくて、ママのネックレス見て」

「ネックレス？・・・これっ(驚)」

「チャンミンさんこれが何か知ってるんだね」

Aの胸元のネックレス… それは、俺がAの誕生日に初めてプレゼントしたものだった。

Aのイニシャルをモチーフにした土台に、俺とAの誕生月と出会った月の石を散りばめてオリジナルで作ってもらったネックレスに

＊＊＊紫陽花の花束みたいですね(微笑)＊＊＊

と、Aが喜んでくれた顔は、今でも覚えてる…