紫陽花物語～絆・Changmin ～第３章 (ページ7)

今日:13 hit、昨日:0 hit、合計:22,072 hit

第107話　彼女の家：1 ページ7

「さてと… お腹すいてきたなぁ。

チャンミンさん、ご飯どうするの？」

「どうするって… まぁ、適当にどこかで食べようかと…」

「１人なんでしょ？うちで食べる？」

「えっ?!! でも、Aが…」

「ママは、今日出張でいないんだ。

だからチャンミンさんにも、今日来てもらったんだよ」

「そうか… でも…」

「僕とママ、どんなところに住んでるか見たくないの？(ﾆﾔｯ)」

「見て…みたい…」

「じゃあ、行こうか。

オル、ごめんね、待たせて」

・

・

「ここだよ」

公園から１０分ほど歩いて着いた家は、親子２人で住むには広すぎるぐらいで、家というよりもちょっとした邸宅と呼べるものだった。

「こんな家に住んでるのか？(驚)」

「こっちの離れに住んでるんだよ」

その邸宅に寄り添うように建てられた、こじんまりとした家を、ハルは指さした。

「ずっとここに住んでるのか？」

「そうだよ。

ママは、高校のときからだって。

ママが学生のときは、あっちの母屋にいて、ここはパパーとマンマの娘さん夫婦が住んでたんだって」

「ふ～ん」

「ママはもう２０年以上だから、ここの家族みたいなもんだよ。

みんな、いい人なんだ」

「そっか… そんなに長い付き合いなのか…」

「あっ!! ここで靴脱いでそこのスリッパ履いてね。

オル、待てだぞ」

そう言ってハルは、オル用のタオルを取りに奥へ消えた。

「靴、履き替えるんだ…」

「うん、それは日本式。

あっ、韓国も靴脱ぐんだっけ？」

「そうだよ」

「僕、ほとんどこっちで暮らしてるけど、靴は履き替えた方がいいと思うんだよね」

ハルは俺と話しながらも、手際よくオルの足を拭いていた。

「よし、中に入っていいぞ、オル」

オルはハルについて家の中に入ると、いつもの定位置らしきクッションに寝そべった。

オルについて中に入ると、初めてきた来たはずなのに懐かしさを感じ、Aの香りに包まれているような気がした…

「Aがいないときは、いつも１人で留守番するのか？」

「夜はあっちの母屋に行って寝るよ。

それがママとの約束だし、行かないとマンマが呼びに来るんだ(笑)」

「そうか…(安心)」