紫陽花物語～絆・Changmin ～第３章 (ページ31)

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第131話　新たなスタートページ31

「夫から妻に…」

俺からAの指に、愛の証がはめられた。

「妻から夫に…」

Aから俺の指に、愛の印がはめられた。

昨日までもAの薬指には、俺が贈った指輪が光っていたけど、やっぱり結婚指輪は重みが違っていたようで、感慨深く薬指を見ていた。

「ハル、左手出して」

「何、ママ？指輪の交換は２人だけでしょ？(笑)」

「いいから、出して」

「？」

首を傾げながら出したハルの手首に、Aはブーケに隠していた腕時計をはめた。

「これ…？」

「ハルに誓った、俺たちの誓いの印だ」

「え…(驚) 僕… 僕、スマートウォッチ派なんだけど。

いまどき、アナログなんてさぁ～」

「ハルも来年は大学生になるんだ。

この先、スマートウォッチよりこっちの方が相応しい場面が、いくらでも出てくる」

「・・・」

「いいから、受け取れ(微笑)」

「あ…ありがとう…」

「ハル、似合ってるわよ(微笑)」

「そ、そうかな…」

ハルは照れながらも嬉しそうに、角度を変えながら腕時計を見ていた。

「さてと…」

腕時計を付けたままハルは祭壇を降り、参列者席で見守るお父さんやカズさん達に混じり、俺たちに向かって叫んだ。

「それでは、誓いのキスをどうぞ!!」

「もう…ハルったら…(恥)」

「ハハハ(笑) ハルらしいじゃん(笑)

A…」

「はい？」

俺はAと見つめ合った。

「もう２度と、Aを離さない…」

「・・・」

「死んでも、Aを離さない…」

「はい… ずっと一緒です(微笑)」

優しく大きな拍手の中で、俺たちはキスをした。

随分遠回りをしてしまったけど、俺とAの寄り添い支え合い共に歩く人生がスタートした…

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