紫陽花物語～絆・Changmin ～第３章 (ページ26)

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第126話　プロポーズページ26

それから俺は、時間があればイタリアや日本でAと過ごした。

普段の日常を過ごしたり、ハルの学校が休みのときは、３人で旅行に出かけたりもした。

日本で過ごすときは、インテリアショップを周ったりして、２人で家を作り上げていった。

離れて過ごすときは、互いに課題を出しあったりして、ワインエキスパートの資格を取ったりした。

昔と違って、精神的にも時間にも余裕がある分、穏やかな中にも濃密で濃厚な時間をAと過ごし絆を紡いでいった。

同じ時を過ごし、同じ愛に包まれ、互いの温もりを感じていた俺たちは、離れていても、寂しさや不安は微塵も感じなかった。

ロンドンの学校に入ったハルとは、２人でサッカーを見に行ったり、ライブハウスにUKロックを聴きに行ったりもした。

傍から見れば、バラバラで家族らしい家族じゃないかもしれない。

それでも俺たちは、確実に着実に俺たちだけの揺るぎない関係を作り上げていった…

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ハルが夏休みになり、３人で日本のマンションで過ごしていたある夜、俺はAに大切なことを伝えようと決心した。

「A…」

「はい」

「俺と…結婚してくれないか？」

「えっ?! そっそれは…」

「チャンミンさん、そういうのは２人だけのときにやってよ」

「いや、これはハルにとっても大事なことだ。

だから、ハルにも聞いてもらう」

「「・・・」」

「チャンミンさん…私、このままで充分ですよ」

「ダメだ。俺はもう、Aとの絆が切れることはしたくないし、切られたくないんだ。

少しでも固く結ぶためにも、俺はAと結婚したいんだ」

「チャンミンさん…」

「ママ、こういうことはちゃんとしておいた方がいいよ。

結婚しなよ。

ママだって、もうチャンミンさんと離れる気はないんでしょ？」

「ハル…」

「A、結婚しよう」

「チャンミンさん… はい、喜んで…」

「ありがとう、A…」

あのネックレスのデザインをダイヤで作った指輪を左手の薬指にはめると、Aは嬉しそうに笑顔を見せながら瞳を潤ませていた。

そんなAが愛しくて、思わず抱きしめると

「仲直りにもプロポーズにも、僕が後押ししなきゃいけないなんて、ホント世話が焼けるよ」

と、ハルは呆れたように言いながらも、そっと席を立った…