紫陽花物語～絆・Changmin ～第３章 (ページ17)

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第117話　覚悟ページ17

「んっ、ん～」

カーテンの隙間からこぼれ入る光で、俺は目が覚めた。

・・・ここは、どこだ・・・

見慣れない風景に昨夜のことも夢だったんじゃないかと不安になった俺は、Aの部屋だと判って心底ホッとした。

・・・ Aは？下か？・・・

Tシャツとスウェットパンツを着て階段を降りると、オルの散歩から帰ってきたハルに出くわした。

「あ…」

「お、おはよう…」

「泊ったんだね」

「え…(汗) あ～、うん…」

「ふ～ん」

「な、なんだよ…」

「思春期の息子がいる女の人にさ、展開早すぎない？(笑)」

「はっ!?(驚・汗)」

「それにさぁ～」

「なんだよ…」

「僕の後押しなんて、要らなかったじゃん(笑)」

「・・・きっかけが必要だったんだよ…」

「きっかけねぇ～」

・・・ Aが口ではかなわないって言うのがわかるな・・・

今のハルは、大人をからかって楽しんでる悪ガキだった…

「すぐ仲直りできるなら、もっと早く来ればよかったのに(笑)」

「大人には、いろいろ事情があるんだよ…(汗)」

「ふ～ん。大人って大変だね。

でも、よかったね、仲直りできて」

「別に…仲たがいしてたわけじゃないさ…(ﾎﾞｿｯ)」

「お祝いに、１ついいこと教えてあげるよ」

「何？」

「チャンミンさんがママと仲直りしても、ママが１番大切にしてるのは、僕だからね」

「・・・俺は…俺は、Aを愛してる…

そんなAが大切にしてる君も、俺は大切に思うし、Aも君も守ってやりたいと思うよ(微笑)」

「・・・(驚)」

大人から…いや、俺から１本取ったと優越感に浸っていたハルは、俺の言葉に耳を赤くして、俯いてしまった。

「ハル～、ご飯できたわよ～」

「はぁ～い、ママ!」

Aの呼ぶ声に顔を上げたハルは、ダイニングへ踏み出した足を止め、俺の目を見た。

「もし、ママを泣かせたら…」

「？」

「もしママを傷つけるようなことしたら、僕は絶対チャンミンさんを許さない…」

「・・・」

「どんな手を使っても、ママが傷ついた以上の思いを、チャンミンさんにさせてやる…

覚悟しておいてね」

「・・・」

ハルのその瞳は、大切な人を守ろうとする男の瞳だった…