紫陽花物語～絆・Changmin ～第３章 (ページ13)

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第113話　将来と趣味ページ13

俺を呼んだのがハルと知ったAは、それまで頑なに守ってきたものが崩れたのか、俺を追い返そうとはせず、同じテーブルを囲んだ。

自分から積極的に話す方じゃないのは、昔と同じだったけど、俺が投げる他愛もない質問には素直に答えた。

「そっか、ハルは、将来ロボットを作る仕事につきたいのか…」

「今のところは… ロボット作りたいとか、プログラマーになりたいとか、宇宙に行きたいとか…

何になることやら…(溜息)」

「いろんなことに興味を持つのはいいことじゃん」

「そうなんですけど… 最近は、こんなこといつ覚えたんだろうって驚くことばかりで…

機械の配線もパパッとやっちゃうし、私のパソコンも

『はい、ママ。セキュリティレベル上げておいたから』

って設定しちゃうし、今はもう私の方が頼りっぱなしで…」

「そうか(笑)」

「口も達者になっちゃって、私の言うことなんて全部返されちゃって。

それも、理論立てて言ってくるから、こっちはもう返す言葉がなくて論破されちゃうんです。

もう、どっちが親なのかわかりません…(溜息)」

「ハハハ…(笑)」

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♪♪♪～

母屋の方から生演奏らしき音楽が流れてきた。

「あれは？」

「あぁ、あれは、ピアノがマンマでバイオリンはハルが弾いてます」

「へぇ～。ハル、バイオリン弾けるんだ」

「マンマは昔、オーケストラにいたことがあって…

ハルが小さいときから、ピアノとバイオリンを教えていたんです」

「へぇ～。じゃあ、ピアノも弾けるんだ」

「弾けることは弾けるんですけど、興味がなくなっちゃってレッスンをやめちゃいました」

「どうして？」

「ピアノは、ずっとそこに座ってないといけないのが、嫌だって(苦笑)

バイオリンは、歩きながらでも弾けるし、持ち運びができるのが気に入ってるそうです」

「なるほど…」

「ハルにとって、バイオリンは気分転換のツールだから、ロンドンにも持って行くみたいです」

「ふ～ん、そうなんだ…」