【十二大戦】weak【短編集3】

影【丑】季偬様リクエスト！ ページ17

後ろから、手を伸ばした。




もう少しだったのに。




あと、本当にもう少しだったのに。






丑「…何をしているのかね？」




「うふふ、なんでもありませんよ」





笑って誤魔化す。





あともう少しで、この人をここから落とす事が出来たのに。





ここは、この人の住む家に行くまでにある階段。




先に降りていこうとする、彼をここから落とそうと思ったのだ。




運が良ければ、彼は死んで、永遠に私のものになる。






ただしそんな運は働かなかった。









丑「さては、私の事を殺そうとしていたのかね？」



「…そんなこと、するはずないじゃないですか」




丑「…正直に答えた方が、身のためだと思うのだがね」






そう言って、彼は私に愛用のサーベルを向けた。







この人は、そういう人なのだ。







「殺したいなら、別にいいよ殺しても」






笑いながら言うと、彼はサーベルを下ろした。





丑「君は、」







からん、という無機質な音ともに、身体が、暖かな体温に包まれる感覚。







「あなたに殺されるなら、いいよ。そうしたら、きっと私は貴方の心から消える事は出来ないから」








丑「…君は、もっと自分を大切にしたまえよ」




「こんなの、ただの入れ物に過ぎないんだから、死んでも生きてても一緒でしょうよ」







なにも返事が返ってこないのを、おかしいと思って、見上げると、






彼は私の顔に、自分の顔を近づけて、




やがて、影は重なった。









丑「安心したまえ、私は誰のものにもならないから_____君こそ、他の奴の所になんて、行かないでくれるかね」






「当たり前じゃないですか、私にはあなたしかいないんだから」








これは、とある男と、少女の話。





これは、







とある無敵な男と、









その男に、「操られてしまった」少女の話。




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季偬様、リクエストありがとうございました！！




ぜんっぜん甘じゃないっすね！！




書き直し等ありましたら、お願いします！！

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