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大嫌い33 ページ33

ホールとキッチンを繋ぐカウンターを飛び越えて

エースくんは私の隣に来た。


そして、そっと肩に触れられるとそのまま私を引き寄せる。





エース「寮部屋まで送るんで。

では」




アズール「...」






エースくんは私をアズールに近づけないように

裏の出口まで進んだ。


すれ違う際、横目でアズールを見ると彼は悲しそうな顔をしなければ悔しそうな顔もしていなかった。



出口の扉をバタンと閉めた時、

隣にいたエースくんは急に立ち止まった。









エース「あぁぁあ!!やっちまったぁあ!!」





『!?』






頭を抱え込みながら、その場にしゃがみこんで叫んでいた。

急な行動に驚きが隠せず、口がポカンと力なく開いてしまう。



そうか、エースくんは私の為にアズールに喧嘩を売るような真似を。


本当に申し訳ないことをさせてしまった。







『ごめんね、エースくん』





エース「...謝らないでください。俺が勝手にしたことなんで。

そもそもAさんは悪くないし」





『そんなことない。

何も出来ない私が悪いんだよ』






どこまでお人好し、とボソリと呟かれた。


そして、彼は立ち上がると私と向かい合って

私の頬を両手で挟み込んだ。







エース「これだけは譲りません。

Aさんは悪くありません」






あまりにも、彼に似合わない真剣な顔をされちゃうものだから
ふふっと笑みがこぼれた。


そんな私を見て、なんで笑うんすか!!と真っ赤な顔して怒るエースくん。



どうして私の周りの人はこんなにも優しいのだろうか。







『ありがとうエースくん』






エース「ッ...エース。」






『ん??』






エース「"くん"なんて要りません。

エースって呼んでください。お、俺より先輩なんだし!!」






照れくさそうに言う彼を見て、ちょっとこっちまで恥ずかしくなる。


男の子を君付けなしに呼ぶなんて、アズールやリーチ兄弟だけなのに。







『わかったよ、エース』






エース「...。

ひひっ!!そっちの方がしっくり来るっすね!」

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紫苑(プロフ) - 大嫌いって言われたところ、悲しさからくるものかもしれないけどスクロールする手がゾクゾクってしました。最高です、ありがとうごじゃいざますた (12月30日 21時) (レス) @page46 id: 89604d43a6 (このIDを非表示/違反報告)
煩悩パラディオン - アズールが涙目になるところでニヤニヤしてもたw←キモい マジで面白くて最高っす!ボクもこういう小説書けるように頑張ろうって思ったり……(暗黒微笑)アズール天最高! (2022年9月5日 0時) (レス) @page38 id: 1a516b5265 (このIDを非表示/違反報告)
玲華(プロフ) - コメント失礼します。作品読ませていただきました。とっても素敵でした。いきなりで申し訳ないのですが、27話でできたふきだしみたいな感じのをどうやって出すのかがわからなくて教えてよければいただきたいです。長文失礼しました。 (2022年1月6日 21時) (レス) id: 7e4c77a810 (このIDを非表示/違反報告)
やよ - 久しぶりに更新されてて飛んだ……らびゅ……← (2021年11月9日 17時) (レス) @page44 id: f3622d769a (このIDを非表示/違反報告)
そーだだお - アズールが大嫌いってるとこ見た途端自分に言われてるみたいで泣きかけてしまった... (2021年11月9日 0時) (レス) @page40 id: b62b3a7923 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めかぶ | 作成日時:2021年10月30日 15時

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