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阿部｢ねぇ｣
その呼び掛けに返事が出来ない私。
阿部｢神無？ここってさ｣
そうだよ。
阿部｢ラブホテルだよね？｣
バレないようにフロントを通らない駐車場から直接部屋に入れるラブホテルを選んだ私。
部屋への階段を登りながら後ろから問いかける阿部ちゃんの声に、なんて所に阿部ちゃんを引き込んでるんだ私は。と自問自答の末顔から火が出そうだ。
その間も後ろを振り向く事なく部屋に到着したら、後ろからはぁ。というため息と共にドサッという音がした。
阿部｢ねぇ、ここ連れてきてさ。どうしたいの？｣
｢だって｣
阿部｢だって？｣
｢阿部ちゃんは私にイタズラしてくるのに、、、｣
阿部｢なんで抱かないのか不思議？｣
｢･･･何考えてるのかわかんないだもん。好きって言葉もあれから聞いてないし。
何がしたいのかわかんない。｣
阿部｢･･･でしょ？｣
｢え？｣
阿部｢みんなが神無神無って言ってる時俺はその輪に入ってないし、遠巻きにしてたから興味無いとでも思ってた？｣
｢･･･うん。｣
阿部｢なわけないじゃん｣
緊張で後ろを向けない私を後ろから抱きしめ包む。
阿部｢俺の事、めっちゃ気になったでしょ？｣
｢そりゃ、何考えてるかわかんないんだもん｣
阿部｢そうやってもっと俺のこと考えて。
言ったでしょ？俺の事、もっと意識してって。
好きに決まってんじゃん。ずっとずっと好きだよ。｣
柔らかい声とは裏腹に男らしい身体が私を包む。
阿部｢ねぇ、ここに連れてきたってことはさ。
俺に抱かれたいんだよね？｣
｢いや、それは、、、その、、、、｣
阿部｢俺も男だから。ここまで来て我慢できないよ？｣
そういって首筋にキスをされていざ抱かれるのかと思って覚悟を決めた瞬間。
阿部｢さて、お風呂入れてくるね。｣
さっきの甘い空気を一刀両断してくるっと私に背を向けて浴室であろうドアへ向かう。
阿部｢うわ、お風呂広っ！｣
そう言いながらシャワーの音とお湯を入れているであろう水の音が聞こえてきた。
阿部｢せっかく来たんだし、なかなか2人っきりなんてないからさ｣
そう言うとまた私の耳元に来てから
阿部｢ゆっくり楽しませて｣
どういう意味を含むのか考えると身体の芯がゾクゾクと震えた。
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作者名：miyna
| 作成日時：2021年11月11日 13時
