31 :汚れずの好中球と前髪&姫カット ページ32
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2626番はどうやらシロやハクと骨髄球からの同期らしい。ようは幼馴染みか。
シロとハクの珍行動や黒歴史なるものまで色々聞いているうちに、2048番のプレートを付けた白血球までやって来た。
「あ、汚れずの好中球だ、何やってん?」
あっ、挟まれた。コイツら何で背が高いんだよどいつもこいつも...!
体が無意識に萎縮し、帽子の中に隠れた耳もぺたんと下に向いている。
「ほらぁ、2626番がナンパすっから怯えてんじゃん」
「はい?2048番みたいに胡散臭い顔よりはマシだと思うけどな、つーかナンパとかしてないから」
「んだと?顔見えねぇ2626番の方が余程胡散臭ぇっつーの!!」
『汚れずの好中球はどっちの顔が胡散臭い!?』
この2人実は仲が良いんだろうな。正直白血球ってだけで他人からすれば胡散臭い存在なのに...。
「...正直どっちも胡散臭い」
至極素直に言えば、2人は面食らったような表情を浮かべた後に揃って笑い始めた。
特に笑わせようなんて事は思ってない、絶対に。
「お前面白いねぇ、えーと?1196番って呼んでいいか?」
「俺も呼ぶー」
笑い過ぎたのか腹を抱えながら涙を拭い、識別番号で呼んでいいかと言う2048番とそれに便乗する2626番。
この2人のツボが全く持って分からん。あ、それはハクも一緒だった。
「よっしゃ、親睦深める為にパトロールがてらどっか出掛けようぜ、な!」
「ん"に"ゃっ」
2626番にバシン、と強い力で背中を叩かれ、ぶわわっ!と背中に巻き付けていた尻尾が驚きで膨らむのが分かる。
その拍子にふわりと浮き上がる帽子。
...不味い。
帽子の感覚が頭に無い事に気が付く頃には時すでに遅し。
2626番と2048番の目はしっかりと僕の頭上を捉え、鳩が豆鉄砲でも食らったかの様な顔をしていた。
耳が縦に伸びてしまったことで脱げた帽子がぱさりと地面に落ちた。
『...へ?』
間抜けな声をあげた2人はなお、僕の頭上に釘付けで最早完全に石と化していた。
僕の頭上の猫耳だけは、変わらずぴょこぴょこと生き物の様に絶えず動くだけであった。
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海藍 - 凄い、、、 (5月21日 23時) (レス) id: 34bd24184d (このIDを非表示/違反報告)
仁兎 - 鶴丸国永が出てニヤニヤしてしまった…えへへ (2020年7月12日 10時) (レス) id: 01ef15654f (このIDを非表示/違反報告)
まじかるれいん☆ - あああもう展開分かっちゃったふふふふ← (2018年12月30日 21時) (レス) id: 9a258b9a35 (このIDを非表示/違反報告)
蒼空みや(プロフ) - ぷらんくとん。さん» コメントありがとうございます!楽しみにしていただきありがとうございます♪このあとの話もお楽しみに! (2018年9月17日 22時) (レス) id: 7eb3a685bd (このIDを非表示/違反報告)
ぷらんくとん。 - 更新楽しみにしてます! (2018年9月17日 11時) (レス) id: 4eb7efbf3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼空みや | 作成日時:2018年8月21日 3時