22 :汚れずの好中球とはたらく好中球の涙 ページ23
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僕の言葉を聞いた4989番は、言いにくそうにぱくぱくと口を開閉した後、蚊の鳴くような声でぽつりぽつりと話し始めた。
「...あんね。今日、目の前で
「うん」
みるみるうちに4989番の瞳から涙の粒がせり上がり、遂にそれはぼたぼたと頬を濡らしていく。
「おれ...さいて、いだよ、なかまが、しんだの、にっ」
声のない泣き声をあげながら静かに涙を流す4989番。
この心優しい彼は、溜まりに溜まると僕の所へやってくる。
まるで溜まったガスを抜くように。
その彼のガスを抜くのもまた、僕の密かな仕事でもあるのだ。
「...いいんじゃない。仲がいい人が死ななくてよかったって思うのは悪い事じゃないし、普通の事だよ。だから、大丈夫だよ。……『ハク』」
驚きからか、溢れていた涙をきゅっと引っ込ませた4989番は「...ハク？」と呟いた。
「...なに、アンタが言ったんだろ、1146番をシロって呼んでるのはジェラシー感じるって...だから、最後の2桁取って、『ハク』」
さっきまで涙引っ込めてたくせに僕がそう言った瞬間、先程よりもぶわわっと涙を溢れさせ、僕はぎょっと目を剥いた。
「〜っ、クロちゃああん！！」
「クロちゃんって言うな」
わあん、と泣き声をあげながら僕を抱き締めてきた4989番...もといハクは、目元をぐりぐりと僕の肩に擦り付けた。
「ちょっと、濡れるんだけど...」
「うええぇん、クロちゃん一生好き〜〜...」
「...なにそれ」
本当、世話が焼けるんだから。
溜息を吐きながら、控えめにハクの頭を叩くように撫でた。
泣いてる奴にまで冷たくする程鬼じゃないし、今日だけ特別。
僕の肩に顔を埋めるハクのレセプターの音量を切って、音が鳴らないようにする。
気の済むまで泣けばいい。
そしてまた明日、あのいつものアホ面に戻りなよね。
絶対もう1回拳骨食らわせてやるんだから。
音もなくパタパタと反応するハクのレセプターを横目に、僕はそれを見て見ぬ振りした。
明日、君が元気になりますように。
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海藍 - 凄い、、、 (5月21日 23時) (
レス) id: 34bd24184d (このIDを非表示/違反報告)
仁兎 - 鶴丸国永が出てニヤニヤしてしまった…えへへ (2020年7月12日 10時) (レス) id: 01ef15654f (このIDを非表示/違反報告)
まじかるれいん☆ - あああもう展開分かっちゃったふふふふ← (2018年12月30日 21時) (レス) id: 9a258b9a35 (このIDを非表示/違反報告)
蒼空みや(プロフ) - ぷらんくとん。さん» コメントありがとうございます！楽しみにしていただきありがとうございます♪このあとの話もお楽しみに！ (2018年9月17日 22時) (レス) id: 7eb3a685bd (このIDを非表示/違反報告)
ぷらんくとん。 - 更新楽しみにしてます！ (2018年9月17日 11時) (レス) id: 4eb7efbf3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼空みや | 作成日時：2018年8月21日 3時
