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19 :汚れずの好中球と破壊 ページ20

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一心不乱で表皮細胞を駆け抜け、その間に立ち塞がる雑菌共に向かって刀を添えるだけ。
それだけで二等分に斬れるのだから、刀とは便利なものだ。

「...にしても...数が多すぎる」

こんな事なら左足じゃなくて先に右足に行けば良かったと顔を顰めるが、何せあの赤血球は災難と不憫を一身に受ける体質だ。
だから怪我の酷い方に居るのではないかという単純な理由で左足の表皮細胞を駆け抜けているのだがいかんせん細菌の数も多いし、逃げ惑う赤血球や細胞達に押されて思うように進めない。

本当ならばもっと早く走れていた筈なのに。
もどかしい気持ちはどんどん膨れ上がり、遂に僕は壁に八つ当たりするように拳を叩きつけた。

「あっ」

その壁は脆かったのか、次の瞬間ガラガラと崩れ落ちてしまった。
その崩れ落ちた壁を見て、ふといい考えが閃いた。

「そっか、全部壊せばいいんじゃん」

そこからはもう怒涛の勢いだった。思い切り壁を殴りつけて、壊して、進んで、殴って。
漸く開けた所に出てきたようで、辺りを見回すとうようよと雑菌共が彷徨っていた。

ゆく道を阻む雑菌共を刀で斬り落としながら目を凝らせば、赤い影を庇う赤...いや、元は白い白血球(なかま)の姿。

遠目からでも分かる、紛れもなくあの赤血球とシロだ。
僕は駆け抜け、雑菌の背後に向かって思い切り飛び上がり、その刃を振り翳した。

「死ね、雑菌共」

瞬く間に雑菌は排除し、2人を庇う様に雑菌の群れに立ち塞がる。
僕は2人の姿をじっと見て、無事であることに内心ほっとしていた。
どうしてかは、分からないけど。

シロの足の怪我も、血は出てるけど思ったより深くは無さそうだ。
後でマクロファージさんの所に連れて行こう。

それじゃあ。

「……覚悟は良いね?」

雑菌共に向かって言えば、何処からかヒィ、と怯える声が聞こえた気がした。

20 :汚れずの好中球と羞恥の白血球→←18 :はたらく赤血球と手負いの白血球(No side)


ラッキーカラー

あずきいろ


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海藍 - 凄い、、、 (5月21日 23時) (レス) id: 34bd24184d (このIDを非表示/違反報告)
仁兎 - 鶴丸国永が出てニヤニヤしてしまった…えへへ (2020年7月12日 10時) (レス) id: 01ef15654f (このIDを非表示/違反報告)
まじかるれいん☆ - あああもう展開分かっちゃったふふふふ← (2018年12月30日 21時) (レス) id: 9a258b9a35 (このIDを非表示/違反報告)
蒼空みや(プロフ) - ぷらんくとん。さん» コメントありがとうございます!楽しみにしていただきありがとうございます♪このあとの話もお楽しみに! (2018年9月17日 22時) (レス) id: 7eb3a685bd (このIDを非表示/違反報告)
ぷらんくとん。 - 更新楽しみにしてます! (2018年9月17日 11時) (レス) id: 4eb7efbf3a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蒼空みや | 作成日時:2018年8月21日 3時

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