01 :怠惰な汚れずの好中球 ページ2
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「...番、...6番...」
遠くでぼんやりと話し声が聞こえる。何だ、さっきまで気持ち良く微睡んでいたというのに。
苛立たしげに目を開くと、目の前には4989番の姿があった。
柔らかい髪をふわふわと揺らしながら何やら怒った様な表情で俺を見つめている。
そういえばこいつ、この前擦り傷の穴に吸い込まれそうになってたんだっけ。
インフルエンザウイルスが出現した時壁に挟まって抜けなくなったって聞いたけど、あれは本当なのだろうか。
「1196番!!お前なあ、細菌の駆除が完了したら無線で報告しなさいっていつも言ってるでしょうがー!」
U-1196番、これは白血球の識別番号として充てられた僕の名前だ。
まあ...僕には仲のいい奴も居ないし識別番号を覚える必要すら感じないけど。
「...煩いな。どちらにせよ雑菌共は全部殲滅したんだし良いでしょ」
「良くないよ!俺達ずっと細菌を探して遊走しながら彷徨ってたんだからな!?1146番が偶然細菌の残骸見つけたから良かったものの!」
...嗚呼、あのクソ真面目な...最近は赤血球と一緒にいるところをよく見る気がする。
「...よく僕がやったって分かったね」
これ以上面倒なお小言聞く前に話を逸らすかと思い至り、口を開けば4989番はきょとんとした表情を浮かべた。
「当たり前でしょ、すぐ分かるよ?血痕の跡見ればね」
4989番がその言葉を口にした瞬間、僕の背中に冷たいものがひゅっ、と走る。
この4989番、実は途轍もないストーカーでは?
それなりに引いた目を向けたはずなのだが、本人は気にしていない様子で立ち上がり、最後に「報告はちゃんとしなさいよ!」と一言入れてから今度こそその場を去っていった。
1人静寂に包まれた空間の中で、ぽつりと俺は呟いた。
「...保護者かっての」
ここにずっと居てもする事などないし、どこか体内環境が良さそうなところにでも行ってみるかな。
そうして僕は、眠い目を擦りながら体内を歩き出したのだ。
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海藍 - 凄い、、、 (5月21日 23時) (レス) id: 34bd24184d (このIDを非表示/違反報告)
仁兎 - 鶴丸国永が出てニヤニヤしてしまった…えへへ (2020年7月12日 10時) (レス) id: 01ef15654f (このIDを非表示/違反報告)
まじかるれいん☆ - あああもう展開分かっちゃったふふふふ← (2018年12月30日 21時) (レス) id: 9a258b9a35 (このIDを非表示/違反報告)
蒼空みや(プロフ) - ぷらんくとん。さん» コメントありがとうございます!楽しみにしていただきありがとうございます♪このあとの話もお楽しみに! (2018年9月17日 22時) (レス) id: 7eb3a685bd (このIDを非表示/違反報告)
ぷらんくとん。 - 更新楽しみにしてます! (2018年9月17日 11時) (レス) id: 4eb7efbf3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼空みや | 作成日時:2018年8月21日 3時