声を失くした君。-TH- 3

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HS「わからない？」


「っ、ごめん、なさい…」





私が謝ると、優しく…でも寂しそうに笑ったお兄ちゃん



…っ、こんな顔をさせてるのは私なんだ







HS「兄ちゃんが傷ついたのは




Aに嘘をつかれたからだよ」



「…嘘？」



HS「そう


Aは彼氏と遊びに行ったのに、友達と遊んできたって嘘をついた

彼氏と旅行に行ったのに、勉強合宿って嘘をついた

彼氏のことを想って泣いたのに、なんでもないって嘘をついた


全部全部、兄ちゃんを騙すための嘘だ」



「…っ」






そうだ




テヒョンと付き合って一年以上が経つけど、それと同時にお兄ちゃんを一年以上騙し続けていたことになるんだ







私、本当に馬鹿だ




お兄ちゃんの気持ちも考えずに、平気で嘘をついて


今になってテヒョンのことを話すなんて…







「っ、ごめんなさい

お兄ちゃん…ごめんなさいっ！」


HS「A…」





泣いて許されるわけじゃない



でも止まらない






体育座りにしている自分の足に頭を乗せ、顔を隠すように泣く私




泣いているせいで、満足に言葉も話せていない






「…っごめ、ごめんなさっい…！」





騙し続けていたことは、どれだけ謝っても足りないだろう




私は一体何人の人を傷つければいいんだ



どれだけの人たちを…







なかなか顔をあげられずにいると





HS「テヒョン、っていうんだな」


「…っえ？、」




そう私を見つめるお兄ちゃんは、さっきとは真逆でただただ優しく微笑んでいた












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