【男主】俺らやっぱハチコイチだよな！【gnki】 (ページ3)

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去年の夢を見た。

俺ら"ハチコイチ"は、それぞれが関係を持ちあって集まった所謂イツメンというやつ。

関わっていたのは幼稚園やら小学校やらのときからではあるが、正式に(？)グループみたいになったのは去年の5月頃。
中3だと言うのに勉強もせずいつものように公園に来た3人には正直吃驚したが、じゃあ逆にガリガリ毎日勉強しているように見えるかと言われればそうでもなかった。

ハチコイチなんて命名される前も8人で集まるのは最早当たり前ではあったけれど、その時は誰か欠けた状態でも遊んでいた。

でも今は違う。全員が自分も含め全員に対してアイツが居ないとだめだと思い始め、1人でも欠けると8人全員解散！ということになった。
別に誰がそうしようと言ったわけでもないのだが。

現在時刻は5月19日の午前6時30分。

いつもより20分くらい起きるのが遅くて、それほどあいつらの夢が心地よかったのかと自分でも照れ臭くなってしまった。

今月は体育祭があるから生活リズムは整えようとこんそめが言っていたけれど俺のクラスは陽キャが頑張ってくれるから俺が体調を崩すくらいどうってことないはずだ。

布団から出る前に5分くらいスマホを弄ってから起き上がり、カーテンを開けて眩しさに目を瞑る。

そのまま少し硬直して、すぐベッドから降り1階に降りる。

「おはよ〜〜」

「あ、おはよ！何か今日遅いね」

朝ご飯を作っていた姉に挨拶をして、掛けられた言葉には何も言わない。

今日弁当は？とか、ママ昨日の仕事夜遅くてまだ寝てるよとか色々伝えてきたから、それをやんわり遮断するようにうん、うんとはにかむ。姉は俺の顔を見て数度瞬きしたあと、そんな早く学校行きたいんだって笑った。

俺は最近早く学校に行きたくて─早くアイツらに会いたくて─朝ご飯はおにぎりにしてもらって通学中に食べているし、会話はなるべく控えて学校で本気で楽しめるようにしたいと思っている。

姉はそれを咎めなかったし毎朝おにぎりを握ってくれた。本当に優しい家族に恵まれたなと思う。

＊

「じゃあ行ってきます」

暑い陽射しが屋根から飛び出た俺を刺して、ギンギンとアスファルトをぼやけさせる。

かなり行儀が悪いがおにぎりを齧りながら歩き、ルンルンの気持ちで学校へ向かう。

また今日も、あいつらと楽しく笑い合いたい。

心の底からそう思えた。