何故俺が奪い合われる【角名倫太郎】【稲荷崎】

相談 ページ14

ほっとした俺の視線の先にはAがいる。
Aは仲良い女子と固まってキャッキャウフフしてる。




そんなAは俺の視線に気づいたのか、俺を見て、そして目を俺から反らした。




気まずそうに。





そんな俺らを見ていた治が言った。




「なん？お前ら喧嘩でもしたん？」


「喧嘩なのかは知らない。」


「朝から機嫌悪い理由ってそれなん？」


「……そうかも。」



何気に鋭い治はこう言うときとか絶対に隠せない。

この鋭い治は少し苦手だ。




「それツムも関係あるん？」


「うん。」


「何があったん？」




これは話した方が一歩踏み出せない俺のためでもあるのかな？

そう思った俺は朝の事を治に説明した。




「ほぉーん……

そらぁ、スナが男になったってもええんやない？

Aはスナ好きやけど侑に告られてか何かされて意志が揺れてるんやろ？

そんで、スナはAが好き、だからその揺れてるAに一気に漬け込むんや。

それに好きな人は離しちゃアカンやろ？

だから今度はスナがAにアタックすんのや、Aみたいに。」


「ん。」






……別にAみたいにはアタックするつもりはないけど、ちゃんとAを落とす。




でもまず落とす前にしなきゃいけない事がある。





それは、あの避ける事をなくなさきゃ攻めようにも攻めれない。




だからまずはちゃんと話をしなきゃ。

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