fifty-five(一期一振side) ページ31
『貴方が、好きです。
あの人を忘れることは一生できない。
それでも、私は、
貴方を愛おしいと思う。
そんな、私は、……不純ですか？』
言葉を選びながら、探りながら、震える声で
彼女は私に愛を囁く。
それがどんなに攻撃的な可愛さかを知らずに。
不純な訳がないだろう？どこが不純なんだ。
最愛の人を亡くし、ただ1人だけを想いながら今まで生きてきた。
その心の隙間に私という刀が入り、愛しさを覚えてくれただけ。
｢不純な訳がない。
彼のことを忘れなくていい。それでも、私を好きと言ってくれた。
その一言で私は、幸せ者です。｣
『っ…ごめんなさい、でも、好きです…
好きなんです…貴方が』
何度も謝りながら、
涙を流しながら、
彼女は言った。
『貴方が、いちばん好きです』
何故こんなにも、好きになってしまったのだろう。勿論後悔なんてない。彼女に想われていることがこんなにも幸せなのだから。
ただ、
『…え、泣いてるんですか…？』
ここで泣いてしまっては、格好がつかないから。
｢彼が、1番でなくて、良いのですか？
私など、足元にも及ばない、｣
何故いちばん好き、なんて。1番でなくてもいいのに。ただ、おもわれていることが幸せなのに。
どこまで私を嬉しくさせるのだろう。
『…過去に縛られるのは、もう、辞めます。貴方を愛すと決めたんです。
前を向いて生きていきたい。
貴方と、ここで。』
私の胸から顔を出した柳田殿は、美しく微笑んだ。女神のようだった。
私の女神はそのまま、私の頬を伝った涙を指で掬い、私の首に腕を回す。
｢っ好きです、柳田殿、愛してます…｣
『はい、私も好きです、一期一振様』
お互いの顔が近づくのは、
当然だったのだろう。
そのまま触れたのかは、
満月だけが知ってる。
fifty-six→←fifty-four(一期一振side)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 960人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
朱音(プロフ) - 「私の妻になってくださいませんか？」のところで気づいたら泣いてました。すごく素敵な作品、ありがとうございました。 (2020年6月3日 17時) (
レス) id: 22e9277f7c (このIDを非表示/違反報告)
三三七拍子 - 番外編も、本編も、全部面白かったです！中でも、一期とくっつくところ！甘酸っぱい！最ッ高でした！ (2019年6月28日 22時) (レス) id: fda3082ed3 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 凄く良かった作品で大好きです。今後他の作品を作る予定があったら刀剣乱舞とコラボかトリップか転生したリボーンかKアニメかワールドトリガーかワンピースかフェアリーテイルの作品が読んで見たいです。説明が下手ならすみません。これからも応援します。 (2018年6月24日 10時) (レス) id: 673ec4ec31 (このIDを非表示/違反報告)
れっさーぱんだ(プロフ) - さぼってすみませんでしたァァァァァァ！！！！！！！！！！！(スライディング土下座) (2018年6月23日 19時) (レス) id: b693bf0243 (このIDを非表示/違反報告)
くま .(プロフ) - 終わっちゃったんですかね…面白いのに残念… (2018年6月19日 15時) (レス) id: 1f7bec242e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：れっさーぱんだ x他1人 | 作成日時：2018年1月27日 15時
