廃棄予定の実験動物。

No.12 ページ13

―数週間後 自宅―

最近、彼の様子が可笑しい。
笑ってしまうくらいに。
いつも深夜帯に出掛けてはそのまま一週間近く帰ってこないこともある。
それに今はバーボンの任務はまだ調査の段階の筈なのによく銃の傷跡を付けて帰ってくる。
それを問い詰めても「探偵の仕事で犯人に撃たれた。」とばかり。
そんな事があったらニュースになっている筈なのに…。

一人で悶々と考えている時、彼が帰って来た。

透「ただいま。」

『あ…お帰りなさい……。』

透「……。…あぁ。」

『…ッ！！』

どうして目も合わせてくれないの？
ねぇ、貴方は私の事が嫌いなの？
お願い、私を見て…？
その美しい瞳に私を映してよ……。

透「…お風呂に入ってきますね。」

『……はい…。』

彼がお風呂に入る音が聞こえ、私は溜息をついた。

『はぁっ…。』

やっぱり、私の事を嫌いになったの？

その時、彼が落とした何かの手帳が目に入った。
その手帳には…。

『えっ…。け、警察……！？』

“公安警察”と書かれてあり、その顔には確かに見覚えがあった。

『…彼の顔……。』

でも名前は違う。

“降谷零”…？

―透「小さい頃のあだ名はゼロだったんですよ。」―

“ゼロ”…？
それはまさか公安の…？
じゃあ彼は…。

『彼は…私の事なんて……。』

視界が涙で潤んでいく。
…その時、ガタンッという大きな音がした。

音のした場所を見るとそこには…。

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