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アパートに辿り着くと、もう一度住所を確認する。やっぱりここで合ってる
壁や階段には錆がついていて、少し寂れた雰囲気を醸し出すこの[暁荘]が例の男 キム・ハジュンの住む場所だ
「305号室──」
銅色に変化した階段を登ると、男の部屋の前に1人のお婆さんが立っているのが見えた。お婆さんは私に気づいておらず、扉の覗き穴を覗いたり、耳をぴったりとくっけたりと 中の様子が気になっているようだ
私は、如何にも怪しい動きをするお婆さんにゆっくりと近づくと声をかけた
「あの…」
「ワッ!」
少し大袈裟な反応をするお婆さんは、私を見るとホッと胸を撫で下ろした
「ここで何をしてるんですか?」
「オモっ…もしかして警察の方?」
私の質問に質問で返してくるお婆さん
「一応…」
「あぁ良かった!私ここの大家でちょーどこの部屋の真下に住んでるんだけど、さっきこの部屋から誰かの叫び声が聞こえて──」
"叫び声"という単語で胸騒ぎに拍車がかかる。お婆さんは続けた
「元から柄の悪い人だったから、誰かと喧嘩でもしてるのかなって…でも叫び声がした途端、ビックリするくらい静かになって…」
噂話をするようにコソコソ言うお婆さんにまた質問を投げかけた
「その叫び声は何時頃に聞きましたか?」
「ん〜ちょうど20分前くらいかしら」
となると、私が車を見つけた時には既にハジュンは家に戻っていたということ。そして、あんな貴重品を置いているのに半時間帰って来なかったという事は───
きっと、彼はこの部屋の中で何らかのトラブルに巻き込まれた可能性が高い
緊張の面持ちでドアノブを握ると、こっちのドアには鍵がかかっていた
「大家さん、この部屋の鍵って持ってますか?」
「取ってくるわ、ちょっと待ってて」
この胸騒ぎが的中しない事を祈りながら大家さんを待った
.
鍵穴を捻るとガチャりという音がしてドアノブが回せるようになった
「大家さんはここに居て下さい。」
「えぇ…」
私は扉をゆっくりと押すと、後ろ手に扉を閉めた。部屋に電気はついておらず、ギシギシと軋む床を踏みながら壁伝いにどんどん入っていく
そのまま足を踏み込んだ、その時
ぺちゃ
居間から聞こえるはずのない水音が聞こえた瞬間、私はゆっくりと床を見下ろした
そして急いで外に出ると、大家さんにハッキリと伝えた
「今すぐ通報して下さい」
私の足元には血塗れのハジュンが転がっていた
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七彩 - 返信ありがとうございます!雷蔵良いですよね!私は、ニコ推しです! (2月17日 22時) (レス) id: 5d577b99f0 (このIDを非表示/違反報告)
みやねよ(プロフ) - 七彩さん» 投票ありがとうございます!詳しいという程ではありませんが好きな作品です!推しは雷蔵ちゃんです♡ (2月17日 22時) (レス) id: a7351aa008 (このIDを非表示/違反報告)
七彩 - みやねよさん、ライチ光クラブ知っているのですか?!私もライチ光クラブが大好きで漫画を全巻持ってるくらい好きなんです!なので、ライチ光クラブに投票させて頂きました! (2月17日 22時) (レス) id: 5d577b99f0 (このIDを非表示/違反報告)
iuwfpd(プロフ) - みやねよさん» 教えてくださりありがとうございます!ワヲンというアカウントからフォロリクを送らせていただいたので、お暇な際に承認よろしくお願いします😌 (1月23日 19時) (レス) id: d7f5502d0b (このIDを非表示/違反報告)
みやねよ(プロフ) - 夜遅くに返信すみません!コメントありがとうございます。ホームページにTwitterのユーザーネームを書いているのでそちらから飛んで頂けると助かります! (1月22日 0時) (レス) id: a7351aa008 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みやねよ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/miyanestay2/
作成日時:2023年12月26日 4時