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深呼吸をして怒鳴りつけてやろうと思ったその時、ふと窓ガラスから車内を覗き込むと、中には誰もいなかった。朝から出かけてるっていうのも可能性としてはあるけど…1番濃厚なのは家に帰ってる、か
とりあえず、注意したにも関わらずまたやったのはもう許せない。あんなに罵倒されても我慢したのに…
もう我慢の限界。私は1度自分の車に戻り、グローブボックスから『運転禁止』と書かれたポスターを持ってくると、それをフロントガラスに貼り付けた
「今何時だっけ…えっと8時34分、ナンバーは──」
そう言いながら電子機器をポチポチ押すと機械音と共に赤色の紙が出てきた
8:34 [436
対象理由
・駐車違反により「車両の使用制限」のため
紙をポケットにしまった後、動かして欲しいなぁと思いつつ無意識にドアを手前に引くと、止まるはずのドアノブがパカッと開いた。どうやら鍵は開けっ放しのままみたい
「不用心だなぁ…ん?」
微かにタバコの匂いがする車内に上半身を突っ込むと、運転席の足元にスマホと革製の財布が落ちていた。免許証が入ってるなら確認したい所だが、本人の許可なしで触っていいものなのかな
まあでも悪いことしてるのはこいつだし、「失礼〜」と財布の中身を見ると小銭数枚とお目当ての免許証が入っていた
「ソウル瑞草区──暁荘305号室、キム・ハジュン…あの男キムハジュンって言うのね、覚えたわ」
そう言ったと同時に、誰かから電話がかかってきた
「はーい、ヨボセヨ」
《オンニ、体操服忘れちゃったから持ってきて!玄関に掛けてるから!》
妹のヘリンは開口一番急かすように言った
「えー忘れた自分が悪いんでしょ、それに私もう出勤した」
《そんな事言わないでぇ…車に切符貼るだけでしょ?》
「ヘリナ、駐車違反舐めたら死だよ」
そんな他愛のない話を何往復かした後「怒られてきなさい」とだけ言って電話を切った
「アーチンチャ…出る前に持ったか聞いたじゃん」
忘れ物がないかくらい確認すればいいのに…
そう思った時、ふと落ちていた財布とスマホを確認する
そうだ、普通こんなに大事な物を開けっ放しの車内に忘れるわけがない。すぐ戻ってくるにしてももう30分は経っている
もう一度免許証の住所を確認すると、そこはすぐ近くにあるアパートだった
根拠もないのに感じる胸騒ぎが気持ち悪い
「…念の為にね」
私は免許証を片手にアパートへと歩き出した
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七彩 - 返信ありがとうございます!雷蔵良いですよね!私は、ニコ推しです! (2月17日 22時) (レス) id: 5d577b99f0 (このIDを非表示/違反報告)
みやねよ(プロフ) - 七彩さん» 投票ありがとうございます!詳しいという程ではありませんが好きな作品です!推しは雷蔵ちゃんです♡ (2月17日 22時) (レス) id: a7351aa008 (このIDを非表示/違反報告)
七彩 - みやねよさん、ライチ光クラブ知っているのですか?!私もライチ光クラブが大好きで漫画を全巻持ってるくらい好きなんです!なので、ライチ光クラブに投票させて頂きました! (2月17日 22時) (レス) id: 5d577b99f0 (このIDを非表示/違反報告)
iuwfpd(プロフ) - みやねよさん» 教えてくださりありがとうございます!ワヲンというアカウントからフォロリクを送らせていただいたので、お暇な際に承認よろしくお願いします😌 (1月23日 19時) (レス) id: d7f5502d0b (このIDを非表示/違反報告)
みやねよ(プロフ) - 夜遅くに返信すみません!コメントありがとうございます。ホームページにTwitterのユーザーネームを書いているのでそちらから飛んで頂けると助かります! (1月22日 0時) (レス) id: a7351aa008 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みやねよ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/miyanestay2/
作成日時:2023年12月26日 4時