恋と事件は紙一重？

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その後､何分経っても画面に誰かが現れることはなかった


「チャニさん､聞いてもいいですか」
「うん､どうかした？」

「このアパートから人が出てきたら､この防犯カメラに確実に写るんですよね？」
「そうだね､逆も然りでこのアパートから出ない限りこの防犯カメラには姿が写らない」


そうなると犯人の目途は一気に絞られる。不謹慎ながらにも逸る気持ちを抑えて深く息を吸いこむと､私は住人と刑事全員の前で口を開いた

一回は言ってみたかったあのセリフを…！

「じゃあ､犯人はこのな「犯人はこの中にいるってことだ！」


突然前に出てきたかと思えば､チャンビンのデカい声に私の小さな夢は奪われた。一気に場は騒然とし､ほんとに？と私ではなくチャンビンに聞く住人たち

「私が言おうとしたのに…」
「知るか」


もう耐えられない

覚悟を決めて袖をまくり､大股でこいつの背中に近づこうとすると､それを見かねたチャニさんに「どーどー！」と止められた。私は馬か


「離して下さい…絶対許さない…」
「いくらなんでも手は出しちゃダメだから！」


「深呼吸して？」と言われ鼻をふくらませながらもゆっくりと深呼吸し､チャニさんに泣きついた

「何なんですかあの人はァ？ほんとに無理なんですけど！」
「そんなに興奮しないでㅋㅋああ見えてもビニは刑事課の中でも優しい方だよ！」

あれで優しかったら刑事課の奴ら全員鬼だろ､と言いたくなったが喉の奥でグッと堪えた


「…そう､ですか」
「そうそう。それよりもさ､無実が証明されたしせっかくなら捜査に協力してくれない？」


捜査に､協力…？

Aは目を輝かせるとしっぽをふる猫のように尋ねた

「良いんですか…?!」
「Sure！それにAちゃんなら良いとこに目つけそうだしねぇ」


流石この人分かってるわ､そう思っているとチャニさんは自分の右手を差し出した

「自己紹介がまだだったね､僕はバン チャン。みんなからはチャンとかチャニって呼ばれてる。基本的にはチャニ警部かな」

偉い人なんだろうなとは思ってたけどやっぱり警部だったのか


「あっ､カン・Aです。ソウル瑞草警察署の交通安全課で働いてます」
「OK〜チャンビナにもさせようか？」
「丁重にお断りさせていただきます」


改めて､チャニ警部ことチャニさんは遺体が回収された現場に簡易取調室を設置すると早速住人を一人一人呼び出した

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