好きな人に初対面で嫌いと言われた場合はどうすべきですか【佐久早聖臣】 (ページ30)

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7ヶ月、なんて

高校生にしては長く付き合った方ではないだろうか。

高校生なんて移り気で、飽きっぽくて、何が恋愛かも分かってないような年で、

そう思っていても聖臣くんの事がどうしても特別で、優先で、輝いてて、

本当に好きだ。

嫌いだなんて言われても私はまだ大好きで、諦められなかったんだもん。

ショックではあった。

でも覚悟を決めて行ったからか涙は出ず、その日は普通に授業を受けた。

・

部活では怒涛の質問攻めを受けた。

｢先輩！佐久早と別れたってまじですか？！｣

｢古森くんと浮気したって聞いたけど違うよね？！｣

｢えどっちから振ったの？！｣

『待って待って全部ちゃんと言いますから』

私は全てを話した。

プレゼントを聞こうとして男の影を見せ、嫉妬させ怒らせてしまったこと。

聖臣くんが浮気していたこと。

私のあらゆる所が嫌いって言われたこと。

全てを話していくうちにぽろぽろと涙がこぼれおちてくる。

『わたしっ、ほん、とにまだすき、で、もうどうしたらいいかっ、わかんなくって⋯！』

事情を知った先輩方はクラスの聖臣くんファンの皆さんとは違い笑みを浮かべず、般若のように怒りを顕にしていた。

｢それはだめだろ佐久早まじで｣

｢先輩悪くないんでもう泣かないで〜！！｣

・

｢⋯A、思い出させるようで悪いんだけど浮気女の特徴教えて｣

その先輩はスマホを取りだした。

『えっと、茶髪ロング、センター分けの巻き髪、赤のマスカラでオレンジチーク、オレンジリップの秋代表みたいな人でした』

｢この人じゃない？｣

そう言って見せられた写真には教室で、1人でスマホを眺めている浮気相手。

『この人！です！』

｢はあ⋯。だよね。この人まじですぐ人の男狙うの。今年に入って佐久早で4人目。黒木華ちゃんって言うの｣

・

心臓が止まった。

『⋯⋯黒木、ですか？』

｢うん。ここらじゃ珍しいよね。｣

『え、てことは2年に1人黒木居るんですけど⋯』

｢その子妹だよ｣