好きな人に初対面で嫌いと言われた場合はどうすべきですか【佐久早聖臣】

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翌日は朝から寝覚めが良かった。




『･･･よし、っ、･･･あーーー！！！』




意を決したつもりが決し切れておらず、気合を入れるため大声を出す。




『絶対泣かない。何事にも気を配る。聖臣くんに可愛いって思わせる･･･！』




いつもより早く、家を出た。









･









一番乗りかと思われた教室には既に1つ、鞄が置いてあった。




聖臣くんの席。




スマホには




聖臣くん屋上




の文字。




ははっ。たった2文字って。




どんだけ私と会話したくないんだろ。




自分で言っておきながら少し食らったダメージを、気にしないフリして足を運んだ。









3階から上の階段は全く整備されておらず1人で通るのはいつも心細い。




でも今回はその全てがとても小さい事のように感じた。




フラれたら泣きまくろう。嫌われたんなら学校行かなければいい。




錆び付いた手すり。




剥がれた滑り止め。




壊れて少し開いたままのドア。




その先に見える手すりに寄りかかった聖臣くんの後ろ姿。




全て宇宙にとってはちっちゃい事。









･









『･･･おはよう聖臣くん。1日ぶり。』




彼は振り返らない。




『･･･私、悪くない。』




スマホをいじる手が止まった。




『嫌いになったって正直に言えなかったのも聖臣くん、浮気したのも聖臣くん。




私は何かした？鈍感だった？背が高かった？




そんなの今に始まった事じゃない。そんな私は昔からいたよ。それを知ろうとしなかったのは聖臣くんなの。』




声が震える。




『私の事嫌いになったんなら相性合わなかっただけ。正直に言うと私はまだ聖臣くんの事好きだけど今日はフラれるつもりで来てるよ。』




嫌だ。また2人で並んで歩きたい。




『･･･だから、早く言って』









大好き。









『嫌いって』

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