お見合い相手がマフィアの幹部でした【文スト】 (ページ7)

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お薬六日分（弟side）ページ7

『こんにちは〜

ご注文の品をお届けに参りました〜』

吾輩は弟である、名前はない。断じてない。

先日、姉の見合い話をどうするかというクソくだらねぇ家族会議が開かれたせいで探偵社に遅刻し、国木田さんに怒られました。

そして、僕が国木田さんにこっぴどく怒られた元凶である姉が探偵社に薬や医務室の備品を届けに来ています。

はやく帰ってくんないかな、自分の仕事場に身内がいるとか気まずいんだけど。

「Aか、いつもわざわざ悪いな」

『いえいえ、いつもご贔屓にしていただいてるので』

「届けに来るのが大変な時は誰かに取りに行かせるから云ってくれ」

はやく帰ってほしい僕の気も知らずに満面の笑みで国木田さんと話している姉さん。

マジで帰ってくれ、そして僕がちゃんと仕事してるか国木田さんに聞くのもやめてくれ。

……てか太宰さん、国木田さんの後ろで何やってんの？

視線を向けた先では姉さんと話している国木田さんの後ろで、国木田さんの首に手を当てている太宰さんがいる。

太宰さんって頭おかしくなる毒キノコ食べたり、すぐ入水しようとしたりして、かなりヤバい人だけど面白いから結構好きなんだよな。

だけど、今だけはマジで理解できない。

え、何、国木田さんを絞め殺そうとしてる？

「……太宰、お前はさっきから何をしてるんだ？」

「え？Aと話してる時の国木田くんの脈が速くなっているのか確認してるのだよ」

『速くなってますか？太宰さん』

「いや、それが速いのなんの

ほら、Aも国木田くんの脈計ってごらんよ」

そう云って太宰さんは姉さんに国木田さんの手首を差し出すが、姉さんが手首に触れそうになったところで国木田さんは慌てて距離をとった。

そういや、この前太宰さんと国木田さんの手帳見た時、理想の相手の頁に姉さんの名前書いてあったな。

それを太宰さんが消して、結局国木田さんにバレて怒られたんだっけか。

「あれ〜？クニキーダクン、顔が赤いけれど

もしかしてぇ〜？？」

「太宰！！お前ははやく仕事をしろ！！」

「きゃー！国木田くんこわーい！A助けてー！」

姉さんの背に隠れた(隠れきれてない)太宰さんは完全に楽しんでる。

「……A、いい胃薬を注文したいんだが」

『……お疲れ様です』