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お薬四日分 ページ5

『えっと、こちらが自白剤で、そちらは新作の毒です』



箱から粉末の入った瓶と液体の入った注射器を取り出す。



『自白剤は相手にぷすっと注射を刺せば、どんなに口が堅い人もぺらぺらと情報を吐き出してくれます』



絶対に言うまいと口を結んでいたのにたかが注射一本でぺらぺらと情報を吐いちゃうなんて、さぞ滑稽だろうなぁ。


んふふ、想像しただけで頬が緩んじゃう。



『新作の毒は自信作で……ふへっ……』



毒の効果は幻覚や吐き気から始まって、次に手足の感覚麻痺、最終的に呼吸筋の麻痺で呼吸ができなくなる。


呼吸困難で苦しみながら逝く。


この前は出血多量で死ぬまで血を吐き続ける毒を作ったから、今回は麻痺の毒を作ってみた。



「楽しそうでなによりだよ、Aくん」



と何故か苦笑いをして商品を受け取る森さん。


どうして苦笑いしてるんですか。



「ところで、今度お見合いをするんだってね?」



『はい、そうなんです。



……え、どうして知ってるんですか?』



あれ?誰にも云ってないはずなのに。


誰です、私のプライベートを晒したあほんだらは。



「知ってるも何も、マフィア内はその話で大騒ぎだよ」



マフィア内が大騒ぎするほど中原さんはすごい人気者なのだろうか。



『……お見合い相手がここの幹部の中原さんなんですけど、どんな人か教えてもらえませんか?』



「中也くんかい?彼は仲間思いのいい子だよ。任務もきちんと成し遂げてくれるしね」



仲間思い……


でも、会ったことないから全く想像できない。


すると、森さんの後ろで絵を描いていたエリスちゃんがひょこっと出てきて、抱きついてきた。



「……A、ちゅーやと結婚するの?



そうしたらAはちゅーやが独り占めするの?」



不安そうな瞳で見つめてきたエリスちゃんが天使みたいに可愛くて、たまらず頬がゆるゆるになってしまう。



『〜〜〜っ!



しません!絶対しません!』



「ほんと?



じゃあ、ちゅうやじゃなくて私と結婚しましょ!」



『するぅ……しましょ……』



「エリスちゃん!?Aくん!?



私抜きで話進めないで!?」



『お義父さん、エリスちゃんは私が幸せにしますから……』



「Aくん!?」



「だめ!私がAのこと幸せにするわ!」



「エリスちゃん!?」

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中二病メープル(プロフ) - 弟君好こ。 (5月6日 9時) (レス) @page13 id: df9d4043c9 (このIDを非表示/違反報告)
- 弟と友達になりたい、、、、 (7月27日 7時) (レス) @page12 id: c79aedafe2 (このIDを非表示/違反報告)
あにおたちャん-_- - 剣持刀やいません? (6月1日 16時) (レス) @page8 id: 4970dc6ec6 (このIDを非表示/違反報告)
落蕾 - 雪きつねさん» めっちゃ分かります、、、 (5月29日 18時) (レス) @page11 id: 32354343cf (このIDを非表示/違反報告)
青鯖ぷりん - 弟少年が面白過ぎです!ロリショタコンってことは多分私と一生の友になります!← (2023年5月6日 10時) (レス) @page8 id: d93a93a5a8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雪きつね | 作成日時:2022年12月25日 20時

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