お薬一日分 ページ2
はじめまして、私は出雲Aと言います。
とても物騒な横浜でのほほんと生きていて、小さな薬屋を経営しています。
毒や薬、火薬をねるねるねるねして、お得意さんやお客さんに売るお仕事です。
今日も今日とてねるねるねるねしていようかと思ったのだけれど、なんだか家が騒がしい。
「A、A!さっさと起きて!!大変なの!!」
こういう時の母の「大変」はあまり大したことはない。
例えば、財布が無くなったとか、お隣の山田さんが結婚したとか、食べようと焼いていた
なので、無視します。
今のうちにたくさん寝ておけば、三日くらいは眠らなくて済むのでたくさん寝ます。
「A、起きなさい!!
貴女の大事な大事なお母さんの一大事なのよ!?」
『……今、何時?』
「もうじき昼よ、お店の定休日だからって寝すぎ」
布団の温もりを感じながら、だるい体を起こす。
そう、今日は薬屋の定休日なため、いくら寝坊しても許される。
定休日と言っても、薬草を見つけに行ったり毒や薬をねるねるねるねしたりして過ごすので実質あってないようなもの。
『よく寝たぁ……』
眠気が覚めない体を伸ばして、母に向き直る。
何故か母は冷や汗ダラダラでさっきからブツブツ何か呟いているが、私には何を言っているのか聞こえない。
『お母さん、何かあったの?』
そう云って聞けば、母は青白い顔で私の肩を掴んできた。
よほど大変なことがあったのだろうか。
「あのね、落ち着いて聞いてね」
『その前にお母さんが落ち着こう?ね?』
目の前の青白い顔をした母のほうが心配でしょうがない。
お母さん?本当に大丈夫?
「お見合い話が来たの、貴女に」
『……お見合い?』
お見合いなら断ると云えば、母はそうじゃないそうじゃないと首がもげそうなくらい横に振った。
「落ち着いて聞いてほしいのはここからなの」
『うん、心の準備はできてるよ』
お母さんがこんなに取り乱してしまうなんて、相手がそんなにすごい人なのかな。
大富豪とか?それとも石油王とか?はたまたお金持ちとか?
……まさかね。
しかし私の予想は綺麗に外れ、その分とんでもない相手であることに仰天する。
「相手は中原中也さん
ポートマフィアの五大幹部よ」
『え?』
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中二病メープル(プロフ) - 弟君好こ。 (5月6日 9時) (レス) @page13 id: df9d4043c9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆ - 弟と友達になりたい、、、、 (7月27日 7時) (レス) @page12 id: c79aedafe2 (このIDを非表示/違反報告)
あにおたちャん-_- - 剣持刀やいません? (6月1日 16時) (レス) @page8 id: 4970dc6ec6 (このIDを非表示/違反報告)
落蕾 - 雪きつねさん» めっちゃ分かります、、、 (5月29日 18時) (レス) @page11 id: 32354343cf (このIDを非表示/違反報告)
青鯖ぷりん - 弟少年が面白過ぎです!ロリショタコンってことは多分私と一生の友になります!← (2023年5月6日 10時) (レス) @page8 id: d93a93a5a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪きつね | 作成日時:2022年12月25日 20時