【ツキプロ】自己満足の短編集【VAZZROCK】 (ページ7)

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｢何なの、この世界……｣

あれから早1時間。私は今外に居た。
あの場所に居ると頭が痛くなる。

…そんな気がした。

｢……誰も、覚えてないの？｣

周りの広告を見ても
志季さんや孝明さん達で、柊羽さんの姿は一切無かった。

私だけが柊羽さんを知ってるなんて、
まるで別次元の人間みたいじゃないか。

……そう、だとしたら

｢……元の世界に、戻してよ…｣

柊羽さんに会いたい、
柊羽さんの声を聞きたい、
柊羽さんの温もりを感じたい、
柊羽さんの……

｢ね…、柊羽、さん……｣

私の目から溢れる涙。
止めても止めても、止まらなくて

嗚呼、大切な人が居ない世界って
とても、とてもつまらなくて、
こんなにも悲しいんだと。

そんな世界だったら、私は要らない。
生きている意味を感じない。

そう思ってしまった。