助けてヴァンパイア!!!!!! ページ6
『わかりました、じゃあ、こうしましょう』
俺は改めて香坂さんのほうを見る。
『香坂さん、俺の近くにいてください。きっと貴方が居なかったら、また自分を傷つけてしまうかもしれない。お願いします、そばにいてください』
俺が素直にそういうと、香坂さんは力強くうなずいた。俺はすかさず続ける。
『だから、その分の報酬として俺の血を吸ってください』
これでギブアンドテイクでしょう？言うと、香坂さんは少し悔しそうに俺を見る。
『香坂さん、何か月も我慢させてすみません。俺の血、吸ってください』
俺のその言葉に、とうとう諦めがついたのか香坂さんはため息をついた。
「……首元を」
『はい？』
「髪をかき上げて、首元を見せてもらってもいいですか」
俺が素直に少し長くなった髪を邪魔にならないようにかき上げれば、香坂さんの顔がぐいと近づく。香坂さんが口を開けた一瞬きれいな犬歯が見えて、すぐに視界から消えた。
かぷ、という表現で香坂さんの歯が俺に食い込む。不思議と痛みはないが、何故だかすごく力が抜けるような感覚がして、気づけば俺は香坂さんに支えられていた。
ぞわりとした感覚。今までの感情に当てはめるなら、それは欲 情に近かった。
気づけば噛まれているという感覚はなくなって、香坂さんが俺を見る。
「…しんどくないですか？」
覗き込んだ香坂さんの顔は、俺が今まで見たものよりも大人っぽくて。切れ長な瞳と男らしい吊り上がった眉に、思わずドキリとする。
『…はい、大丈夫です』
「驚いたでしょ、顔変わって」
香坂さんが俺の思っていたそのままの気持ちを言って、俺は思わず目を見開いた。
「血、吸ってないとね。栄養が足りんくて退行化するんです。逆に吸うと短時間だけ大人びるもんで、吸ってない時期が長いとギャップが大きいんですわ」
『…なんか、香坂さんの身体って、面白いですね』
素直に思ったことを言うと、香坂さんは驚いたようにこちらを見る。失礼な発言だったかと謝るつもりで姿勢を正せば、香坂さんのほうが先に口を開いた。
「…それ、佐々木センセイも言うてました。俺の身体のこと「面白い」って、言ってくれたの貴方たちだけです」
他の人は、気持ち悪いやったから。寂しそうに笑う香坂さんを見て、何も言えなくなる。父が香坂さんを俺のそばに置くのは、きっと俺のためだけではないんだろう。
父のいないこれからの生活に、少しだけ期待が持てるようになったのを、俺は何となく感じていた。
Q-1. 吸血鬼って陽の光が苦手なの?→←助けてヴァンパイア!!!!!
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宮前(プロフ) - セナさん» 更新しました！！待たせてごめんね (2023年3月22日 0時) (
レス) id: 98e6cc7239 (このIDを非表示/違反報告)
セナ - すごく面白いですね！更新はもうされないのですか？待ってます！！ (2019年3月9日 20時) (レス) id: 85b2107901 (このIDを非表示/違反報告)
宮前(プロフ) - 漆葉さん» わーい！覗いていただきありがとうございます！がんばって更新します〜！コメントありがとうございました！励みになります！ (2016年11月14日 21時) (レス) id: 6f9567900a (このIDを非表示/違反報告)
漆葉 - 久々に覗いたら新作があったので興奮しながら読んでました。読んでいて、とても楽しかったです( ´ ▽ ` ) 更新楽しみにしてます！ (2016年11月13日 21時) (レス) id: de634fef1e (このIDを非表示/違反報告)
宮前(プロフ) - ディアさん» 最高の感想ありがとうございます！思わず血を吸われたくなるような色気を目指して頑張ります！ (2016年11月2日 22時) (レス) id: ec275561ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宮前
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=miyamaenovels
作成日時：2016年10月27日 18時
