022.リビングデッドに花束を ページ22
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「オハヨ」
「.......ん、ぁ、寝てた.......?」
重たい瞼を開けると目の前には角名倫太郎。
サラリと風に乗って前髪が揺れた。
中庭の芝生にブレザーを引いて寝っ転がる私を見下ろすように立っていた。
「泣いた?」
「.......え?」
濡れてる、と頬を指さした彼は珍しいものを見て喜んでいる子供のようだった。
私が指先を頬に沿わせると
確かに涙で濡れていた。
「青鷺Aを演じるのに疲れた?」
「演じるも何も私は私だけど」
「不慣れな関西弁、おちゃらけた態度、
怖いくせに強がって、周りから軽い女に
見られる役回りってどんな気持ち?」
「.......は?」
「愛のないキスだって喜んで応じるんだろ、お前は」
「何言って」
「今更純情ぶろうなんて遅いんだよ」
ブレザーの襟を掴まれて、
無理やり唇を押し付けられた。
苦しい、と胸を叩いても離してくれない。
寝起きの思考回路でぐるぐる考えて、
やっと飲み込んだ言葉はわからなくて。
やっと離れたかと思えば、
力が抜けて地面にへたりこんだ。
とうの彼は嘲笑うかのように
私を見下ろしている。
「図星だろ?」
「なんなの今日。機嫌悪い?」
「話そらすなよ」
「.......意味わかんない」
吐き捨てるように言い放って、近くに雑に置いたリュックを持って校舎内に走った。
私と彼はただの恋人のフリをしているだけで
その上私は他の男と関係を切っている。
どこに不満があるのだろう。
『────ってどんな気持ち?』
そんなの、
──膿んだ心が
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クラウンメロンパン - この作品めちゃめちゃ好きです!もうスナがイケメンヤバイ!!更新頑張ってください!(私も小説書いています!クラウンメロンパンと言う作者です!) (2020年5月25日 2時) (レス) id: 6658eed2dd (このIDを非表示/違反報告)
siriusu(プロフ) - 正直、ガキが〜だからみたいな感じでいってる方がちょっと子供っぽいし、印象悪いです,,,しゃーないって思ってるんだったら書かなくていいのでは,,?私は貴方の小説が好きで読んでいるのにこーゆう文章があるとちょっと気分が落ちます,, (2020年5月25日 0時) (レス) id: f8b39e970f (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 追記:削がれました…読者様に"小説を読ませて貰ってる側"とまでは言えませんが、少なくとも"作者が一生懸命書いた文章を自分は読んでいるんだ”という意識を持って頂きたいですよね…長々と失礼しましたm(_ _)m (2020年5月25日 0時) (レス) id: a52b0958ee (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - はじめまして!いつも楽しみに読ませて頂いております!p20の言葉、もの凄く共感できました!私も以前作っていた作品で、まだ2、3票しか入っていない状態で低評価を押されてしまった経験があります…その作品は既に消してしまったのですが、かなり書く気を (2020年5月25日 0時) (レス) id: a52b0958ee (このIDを非表示/違反報告)
やな(プロフ) - 三角関係だいすきです! (2020年5月9日 0時) (レス) id: 93f140e425 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みやこ | 作者ホームページ:http://uranai.
作成日時:2020年3月26日 21時