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未だ滝のように降りしきる雨は天気予報によると今夜いっぱい降り続けるらしい。
6時頃までは帰るタイミングを見計らっていたのだが、一向に弱まる気配が無い。
「北さん、泊まってきます？
雨、止みそうもないですし.......。
風も強いわ雷やばいわで帰らせるわけには.......。」
「.......ホンマ申し訳ないんやけど、ええか？」
「ウチは大歓迎ですよ」
勉強教えてもらえるし、眼福やし。なんて真面目な顔して答えると「なんそれ」と笑われた。
自宅に電話をかける北さんを横目に少しの緊張。
そしてなんやかんやお泊まりが決定したわけだが。
「今日親御さんは？」
「出張と夜勤です」
「そか」
今日親帰ってこぉへんの忘れとったｱｱｱｱｱ.......とさらに緊張を高める。
「お、お腹すきません？
なんか夕飯作ります？」
「おん、ほな手伝うわ」
「ええんですか！？一緒に作りましょか！」
お客様に夕食の手伝いをさせるのは
どうかとも思ったが。
多分言っても優しい北さんなら
聞かないだろうし.......
─というのは建前で。
ただ私が一緒に作りたいだけというのは
胸の内に秘めておこう。
数十分して出来上がった夕食に手を合わせて「いただきます」。
目の前にすわって味噌汁を口に含む北さんはなんかすごい綺麗だ。
美形って怖い。
味噌汁飲んでるだけなのに。
こうしてご飯一緒に食べてると、なんだか─
「なんか夫婦みたいやな」
「.......ほぇ？」
やばい、おんなじこと考えとる。
今の北さんの一言がまた脳内再生されて、顔にどんどん熱が集まる。
「顔真っ赤やで」
「だっ、北さんが急に.......！」
「変なこと言うてスマンな」
面白がっているのかケラケラ笑う北さんはすごくレアだ。ゲームでいうSSRくらいレアだ。
最近、北さんも悪ふざけするってことをアランくんの解説を介して知り、どれが悪ふざけなのか見極めの練習をしていたのだが。
「.......せや、これは悪ふざけや。」
「？」
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作者名：みやこ
| 作者ホームページ：http://uranai.
作成日時：2020年3月12日 16時
