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二口堅治
「二口くーん」
「宮野じゃん、久しぶり」
「インハイ出場おめでとさん！！」
「さんきゅ」
3年となり、インターハイの切符を掴んだ彼。
合宿がきっかけで連絡を取り合うようになり
主にお互いの問題児について相談し合う
間柄になった私たち。
宮城県予選･決勝のその日に電話が来て
「俺らも行くわ、インハイ」と言われた時は
なんだか自分の事のように嬉しくなった。
『あとさ、俺────』と続けられた電話。
その時は告白だとは思いもよらず
顔を真っ赤にして布団に顔を埋めたのを
今でも覚えている。
そこから私たちは世間で言う
「恋人」の関係へと発展したのだ。
「んで？問題児は相変わらず？」
「んー、最近は片割れが主将になったから
前よりか進歩したかなぁ。
たまーに喧嘩しよるけどそれもご愛嬌っていうか。」
「まぁでも.......セコムっぷりは変わってなさそうだな。むしろ悪化してるわ。」
「え？.......あぁ、後ろは見たらアカンで。」
主に双子からの視線が背後から
痛いくらい背中に突き刺さる。
「つか付き合ってること言ってないの？」
「彼氏いる、言うたら信じてくれへんの」
「へーぇ。」
急に首筋に顔を埋める二口に
私は慌てふためく。
少し首にチクッとした感覚。
離れた彼は満足気に笑った。
「ごちそーさん」
そう言ってペロッと舌なめずりして
ニヤッと色っぽく笑った彼の顔が
しばらく頭から離れなかった。
「ななな、なな.......」
「決勝で会おーぜ。
.......すまん青根」
コクリと頷いた青根くんと並んでヒラヒラ手を振って行ってしまった。
この後、双子に質問攻めされたのは
想像に難いことではないだろう。
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作者名：みやこ
| 作者ホームページ：http://uranai.
作成日時：2020年3月12日 16時
