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角名倫太郎
「すなりんー帰るでー」
「ちょいまち」
女子更衣室で着替えを済ませ、身だしなみを入念にチェックして、最近買った色つきリップを唇にほんのり乗せていざ出陣。
2年軍団に混じって談笑する彼氏、
角名倫太郎を呼ぶ。
「おつかれさまでしたー」
「失礼します」
先輩たち、部員に頭を下げると
暗くなった帰路を並んで歩く。
付き合ってからの習慣みたいになっている。
「なぁ、りん」
「なに」
「手がちょお寒い気ぃする」
そう言って倫太郎側の手をプランプランと揺らして見せると、呆れ顔。
でもちゃんと繋いでくれるのが私の彼氏様。
「ほんと、素直に言えばいいのに」
「そんな私も好きやろ？」
「言っとけ言っとけ」
手は繋いだまま、街灯の下急に立ち止まる倫太郎に驚いて、後ろにつんのめってバランスを崩しそうになるも倫太郎が抱きとめる。
そのままギューッと抱きしめられるからだ。
暖かくて、少し汗と制汗剤の匂いが鼻をくすぐる。
顔を上げて倫太郎と目を合わせる。
何かに気づいたのか、ジーッと私の顔を見る倫太郎。
私は頭に疑問符をうかべた。
「なん？」
「唇、美味そ」
いい？と聞かれて首を縦に振る。
街灯の下、かさなる影。
これぞ青春。
「恋人っぽ」
「当たり前だろ、恋人なんだから」
「せやなぁ」
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作者名：みやこ
| 作者ホームページ：http://uranai.
作成日時：2020年3月12日 16時
