天才で、問題児で。 5【ヒロアカ】 (ページ39)

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ヒーローの素質6 ページ39

心操side

A ｢…確かに相澤先生は、人質のどちらかに触れれば勝ちとも言った。けどさ、コレが訓練じゃなかったら？触れるだけで助けたうちに入るわけないじゃん。そう考えてる時点で心操に勝ち目なんてあるわけないんだよ。｣

心操｢！｣

A｢…緑谷なら、何がなんでも人質を助けて勝とうとするよ。自分が不利な状況でも…、相手がどれだけ強くても…、力の限り助けようとする。その気持ちの差は大きいよ。｣

心操｢助けて…勝つ……。｣

そうだ…。俺はこの訓練…、先生方に良いところを見せようとしていた。人質が目の前に居るのに、自分がやられたらいけないと思って背を向けた。

人質は…ヒーローの助けを待っているのに。ここに辿り着くのに30分以上も時間をかけて、しまいには逃げ出して。

A｢…林間合宿の時、相澤先生にこう言われたよ。｢何をするにも原点を常に意識しておけ｣ってね。心操にもあるでしょ？｣

心操｢俺の…原点は…｣

…憧れちまったんだ。こんな“個性”でも…誰かの為に、誰かを救う為に使いたいと。

かっこいいヒーローになりたいと…！
緑谷や…櫻間のように…全力で人を救えるような…！

A｢話はここまでだね。さ、どうする？｣

ズバッ。ドガァァンッ。

マイク｢げっ！？ウッソだろ！？｣

ミッドナイト｢ちょちょちょ！櫻間さんやり過ぎでしょ！｣

櫻間の斬撃で、運動場γが更に崩れていく。上からは瓦礫が幾つも降ってくる。

このままじゃ人質の二人が瓦礫に巻き込まれてしまう。

俺が今出来ること…、俺の“個性”を人の為に…！

押し倒されてでも…！俺の“個性”は使える！

心操｢プレゼント･マイク！ミッドナイト！｣

マイク･ミッドナイト｢！｣

心操｢避けて下さい！！｣

マイク｢YEAH!!｣

ミッドナイト｢ええ！｣

ダッ。

A｢ふっ…。｣

俺は人質の二人に洗脳をかけた。二人は走り出し、瓦礫を避けていく。

それでもまだ瓦礫は降り続ける。

グンッ。

A｢おっ？｣

俺は櫻間を押し退けて、人質の二人の元へと行く。

ダッ。

心操｢危ない！｣

二人の上に瓦礫が当たってしまう…！

ビュッ。

俺は捕縛布を瓦礫目掛けて伸ばす。

心操｢助けるんだ…！何がなんでも…！｣

それが…ヒーローなんだよ！！