花屋の店主は実は公安警察3 (ページ18)

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ピピピピピ

＜諸伏｢零、準備できたよ｣＞

降谷｢わかった｣

景からの連絡をもらい、松田と2人でAを迎えに行く。

A｢はーい！今会計しますね！｣

松田｢何買ったんだよ｣

彼女の両手には紙袋がたくさん。
中身は見えなかったけど僕と松田が荷物を持とうと近付くと自分で持つと断られてしまった。

A｢軽いんで！大丈夫です｣

松田｢ちょっと息切らしてる癖に、ほら貸せ｣

降谷｢3人で持てば疲れないよ｣

外はいつの間にか真っ暗で星が綺麗に煌めく。
東京ではまず見られない景色に思わず息を飲む。

A｢昨日松田さんがすっごい綺麗な星空スポットに連れて行ってくれたんですよ！｣

流れ星が沢山見れたとか、天の川が綺麗だったとか彼女が楽しそうに話す。

降谷｢君にもロマンチックな所があるだな｣

松田｢ぜってーお前には教えてやんねー｣

車のトランクに詰めてコテージに向かう。
帰りの車は割と静かで松田が言うにはかなり遅くまでゲームしたりして起きていたらしい。
そりゃあ眠くなるよな。

降谷｢若いから元気なのか｣

松田｢2歳しか差はねぇよ｣

後ろの席ですやすや寝息を立てる彼女。

降谷｢景もそうだが松田もAが気になってるもんな｣

松田｢急にどうした？｣

降谷｢いいや何でもないよ｣

松田｢ふん…｣

僕は急に松田とAを離したいと思った。
なんでか…公安と付き合うということは何かあった時傍に居られない。明日命が無いかもしれない危険な場所に身を置いているから松田が可哀想だと思った。

松田｢どうせ公安との恋愛はよせって言いたいんだろう？｣

｢やなこった｣

｢第三者にとやかく言われる筋合いねぇから｣

降谷｢何も言ってないよ｣

松田｢顔にそう書いてある｣

ふぅ…と外にタバコの煙を吐く。

松田｢俺に言うんなら景にも言えよな｣

昔だったら運転中でも彼は僕の胸ぐらを掴んでいただろう。ただ静かに外を見ている。

なあ零。と声をかけられて返事を返すと松田はこう言った。

｢俺はあの時観覧車の中で死ぬはずだったような気がする｣

僕がその意味を理解したのはもうしばらく後だった。