霞柱の元恋仲さん:02

漆拾参 ページ31

時透 side






「A！！」



Aが 壺の中に吸い込まれていった。

あの壺、そんなことも出来たのか…気色悪い。




「巫山戯るな。Aを返せ。」




玉壺「ヒョーッ！！その壺は外から割ってしまったら 中の者は帰っては来れないでしょう！！ヒョッヒョッ。」


「… Aが中から 自分で壊さないと行けないということね。」



玉壺「その通りです、お話が早くて助かりますねぇ！」



なんて面倒な仕掛けだ。



お願い…A。 どうか 出てきて。

僕はここで鬼を斬るから。





玉壺「さあさあ！此方の相手をしてください！」



「…至極読み易いね。」


玉壺「とは言っていながら 攻撃も当たっていますねぇ！」


「かすり傷だよ。」



玉壺「負け惜しみですかね！」






すると、玉壺は 千本の毒針を 鉄穴森さんや小鉄くんの所へ出した。




小鉄「わあっっ！！

あれ…受けてない……っ！！！時透さん！！」



時透「うぐッ…はぁ。」


小鉄「ああ、、おれ………」



この人たちを守りながら上弦と戦うのはキツイ。






時透 「邪魔だからさっさと隠れておいて」







小鉄･鉄穴森「(かっけぇ……)」









玉壺「随分針だらけの姿ですなぁ」


はあ…だから何？



「うるさい。」


見た目の醜さに関してはお前もどっこいどっこいだろ。
(いえ時透くんはどんな時でもかっこいいです)





玉壺「ヒョッ… 血鬼術、 水獄鉢」




「なっ…」



ぶくぶくぶく …



「ガハッ」


その瞬間… 俺は 水で出来た鉢のようなものに囲われた。




上弦の鬼「鬼狩りの技である呼吸を止めた。もうこれでお前はなんにも出来ない…このまま息が止まって死ぬゥ！ヒョヒョッ」






「(まずい…このままでは窒息する。)」


裂こうとしたり壊そうとしたり…
何とか鉢から脱出しようとした。

…が、


「ッ…クソ」


刃こぼれがひどくて斬ることができなかった。





「(肺に残った空気であと一撃は出せる)」





霞の呼吸 壱ノ型 垂天遠霞


これは突き技。 破れるだろうか…


「(ダメか)」


この固体はゴムのように伸びた。

なので 技を出しても、破れなかった。




「(ああ… もうダメだ。このまま死ぬ)」




僕は… 無能のまま 役に立てずに死んでくのか





そう思い目を閉じた時だった。






小鉄「時透さん！！絶対に助けます！」









『遅れてごめんね、むいくん！』









A！？

小鉄くん！

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