霞柱の元恋仲さん:02

陸拾伍 ページ23

You side









『 宗次郎さん。わたし恋人ができたの。１回 別れたんだけど、また付き合ったの。喜んで欲しいな…私は、幸せになるよ。』



『あ、そうそう。 幸次郎さんに会ったわ。あなたにそっくりね…いえ、あなたがそっくりなのね？(笑)』



『とても優しい御方ね。素敵なお兄様だったでしょう…いえ、これからも。 またお会いした時は 宗次郎さんのこと沢山教えてもらうつもりだわ。 』



『……』






『………守れなくて、ごめんなさい。守ってくれて、ありがとう…』




『恋を教えてくれて、本当にありがとう。幸せにしてくれてありがとう。その幸せはもう手の中にはないけれど…優しい殿方と、幸せになるからね。』





一方的に語りかける。 まあ、 そりゃ当たり前だけど。





でもね、なんだか…不思議だけれど。

目の前の 宗次郎さんからの墓石から


暖かい色がするのは、気の所為かしら…








すると、 誰かに頭をぽんぽん、とされた。




『！？(誰っ…)』









振り返るとそこには、

「…」

時透くんがいた。




『何故…ここに？』


「Aが1人でお出かけってなんだろうと思って、追いかけてきた」


『ふふ、 なにそれ。』




「この方が、宗次郎さん？」


『うん。』




時透くんは、暖かい色をして




「初めまして、こんにちは。 時透無一郎というものです。 僕は、金城さんと 恋仲になったものです。貴方のように強く優しい男に、僕もなりたいと感じます。どうか あなたの愛おしいAさんと恋仲になったこと、許してください。」


と、丁寧に話した。








すると 晴れているのに 雨が降ってきた…

狐の嫁入り だ。








『(あなたも泣いてるのね…刀鍛冶の里。)』

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