肆拾壱 ページ43
You side
わたしは 時透くんに別れを告げたあと
冨岡さんの御屋敷に連れていかれた。
わたしが新米隊士になった頃から割と
仲良くさせていただいてるし、相談だってする仲。
だから柱の人たちも 冨岡さんと話させてくれて。
冨岡「… 大丈夫か」
『…』
大丈夫かだって? 大丈夫な訳、ないじゃないか。
なんでそんな意地悪を聞くの。
冨岡「… 食事を出すから 取り敢えず食べるんだ」
『…はい』
「風呂は済ませてるようだが… 汚れもあるから もう一度入るといい。」
『ありがとうございます、冨岡さん。』
「…待ってろ」
もう何も考えたくなかった
冨岡さんが運んでくれた食事だって
ほとんど喉に通らない
食べなきゃ、なのに …
「無理して食べるな。」
すまない、お粥にすればよかったな
なんて言ってくれて
なに、その温かさ
家族をまた思い出してしまう
「…A。風呂を沸かしてくる。」
『…はい、どうも。』
スタスタと行ってしまった
1人になるとどんどん涙が零れてくる
鬼は…この世界に残しては行けない…、
鬼舞辻無惨を絶対に許さない。
どうかこの悲しみを力に変えるから
今だけは泣かせてください。
そのあと もうこぼれる涙もないほど風呂でも泣いて
やっと落ち着いた。
でも気分は晴れないまま。
『はあ。』
とため息を零しながら縁側に座る。
『ああ … 明日 目が腫れるだろうな』
冨岡「そうだろうな」
『わっ。 冨岡さん…なにか御用ですか?』
「いや、Aを1人にしたくない、と思ってな」
『あら…ありがとうございます。』
無言で ごろんと 寝っ転がる
「風邪をひくぞ」
『別に構わないです』
「看病してくれる奴はいないからな」
そっか 時透くんも いないのか
『看病、たのみます』
「…」
寝っ転がって見上げた 月は 悔しいぐらいまん丸で。
ボロボロになった心を 癒してくれるようだった
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モブ子ちゃん(プロフ) - ありがとうございます!笑 如何せん冨岡さんの出番が少ないのですが 可愛くさせてあげられて良かったです笑 時透くんでは無いところに目を向けていただけだと思うと嬉しいです。 (2020年5月23日 15時) (レス) id: afef9450d6 (このIDを非表示/違反報告)
紗羅(プロフ) - 玖の冨岡さんめちゃくちゃかわいいですね……「たべよう たべよう」……可愛すぎてムフフですねこれ…… (2020年5月23日 9時) (レス) id: 0f8daf8c89 (このIDを非表示/違反報告)
モブ子ちゃん(プロフ) - わー!こんなガバガバなお話にそんな素敵なコメント…ありがとうございます!頑張ります。 (2020年4月1日 18時) (レス) id: afef9450d6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずポン - 面白かったです!更新頑張ってください! (2020年4月1日 17時) (レス) id: ee728212d8 (このIDを非表示/違反報告)
モブ子ちゃん(プロフ) - はああ 有難う御座います!結構な力量で書いたものが消えてて心底落ち込んでたのですがすごく、嬉しいです!これからも、是非ご愛読してください!ムフフ! (2020年3月30日 3時) (レス) id: 3ad2e3812e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:モブ子 | 作成日時:2020年3月22日 18時