霞柱とその元恋仲さん

廿伍 ページ26

You side









あれから私は 度々、竈門くんたちの様子を見に

定期的に蝶屋敷へ足を運んでいた。









善逸「もうむりもうむり〜〜！」


伊「キーーっ！…こんな体ちっせえ癖に負けるとか 有り得ねえ！クソが！ 」



『ふ、2人とも…』

炭「こら！弱音吐かずに頑張ろう！」







いつからか 我妻くんと伊之助くんは訓練に来なくなり、竈門くんは1人で訓練をしていた。




でも竈門くんは 気合を入れて めげずに 何度も訓練に励んでいた。





『…偉いね、キミは。』


炭「え？」



『3人中2人も 訓練に来なくなっても、キミはめげずに取り組むんだね。』


炭「それは…でも、俺が覚えれば 2人にも教えてあげられますから！」


『…』



竈門くんは優しいけれども 芯の通った色をしてる。





すごく綺麗で… 無垢で… でも暖かい。
私の家族も 似たような色をしてた。





炭「…、哀しいですか？」


『え？』



炭「金城さんの匂いは 甘くて優しくて美しい匂いです。でも… 深い悲しみが奥底にいる。きちんと嗅ぎ分けないと、たどり着けないほど 奥底に。｣


『…』


「昨日、しのぶさんの話を聞きました。お姉さんを 鬼に惨殺された時から ずっと心に怒りが宿っている、と。」



『え…？しのぶちゃんが、？』



私や蝶屋敷の人以外には滅多に 自分のことを口にしない彼女が 自ら 過去を口にしたなんて。


炭「金城さんは、どこか胡蝶さんと似ていますね！」


『ふふ、そうですかね…褒め言葉です。』


『キミの嗅覚は凄いですね。 どんな感情も分かってしまう。』


炭「え、それって、やはり悲しみが奥底に」

『さあ。全集中の呼吸が止まってますよ？』


「あ、ああ…(スー)…」



私は立ち上がり、部屋を出る。


炭「き、金城さん…」








他の人に、私の哀しみを抱いてもらうのは 嫌です。







ーーーーー




私は部屋を出て、 今度は 我妻くんと伊之助くんの病室へ向かった。







中に入ると、 どうやら 我妻くんは 女の人を片っ端からお茶に誘いに行っているようで


伊之助くんしか居なかった。 残念。







『こんにちは。また来ちゃった。』


伊「うっ、、おれは訓練なんかいかねえからな」

『ふふ。訓練のこと言いに来たんじゃないよ。ただお話したかったんです。』


伊「ふん。」



伊之助くんはまだちょっと 拗ねてる雰囲気だった。

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