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玖拾参 ページ3

You side






夜ご飯。



みんなでご飯を並べて食べる。



ほんとはむいくんと2人で食べたかったんだけど…

まあ仕方ない。(笑)





せーので頂きますをすると、みんな一斉にご飯にがっついた。







どうせなら栄養を、と いせいせと作ったメニュー。




ひじきご飯、おひたし、鯨の唐揚げ。



特にこのひじきご飯、最高の出来だと思う。ふふ。





時透「すっごい美味しい…流石僕の嫁だ」

『まだ嫁じゃないから!(笑)』



おかわり!という声も沢山。

作ってる側としてはすっごく嬉しかった。





私は、お皿洗い。むいくんは稽古道具の片付けをする。


でも、お皿洗いは何故かみんな率先して手伝ってくれた。

なんでだろ?って思って聞いたら



「人の家で稽古もご飯も貰ってなんの恩返しも出来ないわけ?稽古はもういいよ。でも本当はやってくれないAまでわざわざご飯を作ってくれてるんだよ、感謝してるだけじゃ足りないでしょ。礼儀としてもっと後輩が手助けしろよ。」



って時透くんが言ってたらしい。






そういうとこ、だいすき…


この話聞いた時は、ほんとにドキッとした。(笑)


前のむいくんなら言わなかっただろうなぁ。

記憶が戻ったからこそ、

情けは人の為ならずってことを理解出来たんだろうなぁ。



あー…すき。(笑)





そして、もう寝る時間。


稽古疲れでみんな大変だね…すぐ寝ちゃったみたい。







やっと台所の片付けも終わった頃、


隣の第2稽古場から 木刀が空を切る音がした。




『…?』




そこを覗いてみると、

むいくんが1人で鍛錬をしていた。








時透「…」


汗がきらめく。

ああ、お風呂に入ったのに。また汗をかいちゃうよ?


時透「フゥ… ッ」



『……』



でも…相手は誰もいないのに絶対になにかを見据えてるような目。



なんて綺麗な浅葱色。

いつも、いつも惹き込まれる。

あなたが好き。





『むいくん』

時透「ん?ああ、A!居たの?」

『うん。朝からずっと稽古なのに…まだするのね。』

時透「そうだね。柱稽古も鍛錬に繋がるけど、やっぱり僕は僕なりの戦い方があるからそれを劣っちゃダメだと思うから。」


『そう…すごい。素敵。』

時透「でも、Aも同じだよ。色を研究して、よりいい戦い方を追求してるんでしょ。Aも、すごい!」


『ふふ、ありがとう(笑)』









時透「ちょっと、外の空気吸わない?」


『ええ。縁側に行こう。』

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作者名:モブ子ちゃん | 作成日時:2020年5月26日 20時

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