【歌い手】スクールライフ＊私がいて君たちがいた＊Ｐａｒｔ２ (ページ7)

今日:10 hit、昨日:0 hit、合計:5,269 hit

授業ページ7

ある晴れた日のこと。

僕の名字は『伊東』だから、出席番号順の席だと必ず窓側なんだよね。

午後の暖かい日差しの中、科学担当の担任９６ちゃんの声が教室中に響く。

「だからぁー、ここをこうするの！！

　えーと？で、ん？ちょ、待って待って間違えたやっぱページ戻って！！３８ページ！！
　その問２やって！！」

いつもどおりのグダグダな授業だけど、頑張ってるから許されちゃうんだ。

９６ちゃんの出した問題はとても簡単だったし、解き終わっちゃった僕は窓の外を眺める。

グラウンドに面した窓からは、サッカーをしている２年生の姿がみえた。

ドリブルしてるまふくんからスライディングでボールをとり、シュートを決めた天月くん。

転んだまふくんを助け起こしてるしゃむくん。

そんな２人を見て、どちらがネコかと話し込んでいる松下ちゃんとun:cさん。

はぁあ。僕も２年生になりたかったな。

まぁ、このクラスも楽しいけどね。

そんなことを話していると、教室のドアをノックする音が聞こえた。

「ん？だれー？どうぞー？？」と９６ちゃん。

「しつれいしまーす。歌詞さんいますかー？」

ん？この声って…。

「un:cさん！！授業どーしたんですか！？」

「あー。足ケガしちゃってｗｗ」

「大丈夫ですか？保健室とかは…」

「うん。だから連れてってもらおうと思って」

それでわざわざ校舎まで。

直接行った方が早いのに「そーえば、歌詞さん」ん？なんだろ。

「さっき僕のこと見てたでしょｗｗ」

「え」

見てたってより眺めてたんだけどね。

「コラー！！歌詞太郎いい度胸じゃない私の授業なんて聞かなくても分かるって言いたいの！？」

なんて怒鳴る９６ちゃんをほっといて、教室を出る。

隣をひょこひょこと歩くun:cさんが笑いながら、さっきの話を続ける。

歩き方が変なのはきっと、足をひねっているのだろう。

「天月くん拗ねてたよｗｗシュート決めたのに見てくれないって」

「あはは」

ちゃんとみてたし。

「だから、天月くんの前で『足ケガしちゃったから歌詞さんに保健室連れてってもらおー』って言ってきたｗｗ天月くんいかがわしいことすると思ったのかな」

笑ってそんなことをいう彼に「いかがわしい事って何ですか？」とキャラを被りつつ、

やっぱ２年生になりたいと思った今日この頃。

まぁそんなことは、『秘密』なんだけどね。