好奇心 ページ29
そらるside
＿＿＿＿＿＿
「ねぇねぇ！！スズム先輩とどういう関係なの？？隠してないでさ、教えてよ！！」
「……うるさい」
「うるさくないし！教えてくれない方が悪くなーい？イケナイ関係？？ねぇねぇ！！」
「ちげーよ！！ばかじゃねーの！？」
さっき知り合ったばかりの女の子。
いつもみたいに寄って来る香水のキツイ女共みたいじゃなくて、不思議な子。
青いショートカットの髪を揺らして話しかけてくる、色白な彼女。
俺の周りには居ない、新しいタイプの子で興味が沸いた。
「お前……松下、だっけ？なんでそんな事聞くんだよ」
「んー？好奇心？みたいなー」
「は？」
こいつは男に興味が無いんじゃなく、ただ腐ってるだけか。
スズムの笑顔に流されないのも、俺に媚売らないのも、そういう意味か。
「あ、ねぇそういえばさ。スズム先輩だけじゃなくて、ろんさんとも知り合いなの？」
は？
「なんかさ、さっき天月くんたちと話してたでしょ？ろんさんのことさ」
「………別に」
「んー！！今なんか隠し事してるでしょ。私こう見えて敏いんだからね！」
「あー、はいはい。分かったから席着け」
急にろんのことを聞かれて、受け身がとれなかった。
まだなんか騒いでる松下を席に追いやって、一息つく。
まぁ隣だから声丸聞こえなんだが。
「……………もう！！さっきの画像クラス中にばらまいちゃうんだからねっ！！」
「おいっ！！待ってそれはやめろまじで」
「嘘だよ〜。あははっ！……でもあんくちゃんには見せていい？」
「誰……？」
あんくちゃんって言うくらいだから、友達かなんかか？
そもそも男か女か、名前じゃ判断出来ないんだけど。
ちゃん付けだし、女か？
「んーと、ほら！そこで天月くんと話してる金髪の……」
指差す先には、明らかに機嫌の悪そうな短髪男子で。
若干背が低いけど、ちゃん付けするような程女々しいようには見えない。
むしろ、まふまふの方がよっぽど......。
「男？」
「うんそーだよ！幼馴染なんだぁ」
「ふぅん。それなら、別にいいけど……」
一瞬、松下の顔が曇った気がした。
だけどほんとに少しの間で、もしかしたら見間違えかもしれない。
『幼馴染』
近くて遠くて、もどかしい距離。
今まで積み重ねてきたそれは、壊すには重すぎて。
「やった！あ、因みにあんくちゃんも腐ってるんだけどね〜」
「はぁ！？やっぱなし！やめろ！！」
「んー。もう無理かなぁ！あははっ」
続く
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作者名：ふくふく | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fukufukuka3/
作成日時：2014年11月6日 14時
