そらくん♪ ページ25
「えっえっ！？これがいわゆる密会……？」
悲鳴の後に聞こえた言葉に耳を疑う。
声の主は、おそらく隣の席の松下とかいう名前の子だろう。
明るい子だとは思ったけど、まさかここまでとは。
てか、もしかしなくてもこの子……。
「あー、松下ちゃんいらっしゃ〜い。どうしたの？」
あらぬ誤解をされたのにもかかわらず、いつもの“表の顔”で話しかけるスズム。
それに応えるのは、若干息を荒げた松下という少女の声。
「んーと。……あ、そだ！プリント９６ちゃん先生に頼まれたので持って来たんですけどー…」
さっきの聞いてもう、興奮しちゃって床に落としちゃったんですよね〜。
言いづらそうにってわけでもなく、笑ってそう言い放った彼女。
なにやってんのあの子は。
「そっかそっか〜。ありがとう、てか落としちゃだめじゃん」
「あはは〜」
いつもの“王子様スマイル”で話し続けるスズムにも通常運転で応える松下さん。
こんな女子もいるんだな、なんて思ったり思わなかったり。
そんな事を考えてると、スズムから声をかける。
「ほら、お前も手伝えよ」
そう言ってドアの方に向かうスズム。
そのあとに続きながら、本来の用事を思い出す。
だけど、スズム以外にももう一人いるこの状況で話すのは躊躇われ、結局黙々とプリントを拾うのを手伝い続けた。
そんな折、「そ、そ、そら、そら……そらくんっ！」なんて大声がパソコン室に響いた。
…………まさかとは思うけど、俺のこと？
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作者名：ふくふく | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fukufukuka3/
作成日時：2014年11月6日 14時
