【歌い手】スクールライフ＊私がいて君たちがいた＊Ｐａｒｔ２ (ページ24)

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やっほー♪ ページ24

ろんに会いに行った後、俺はある幼馴染の所へ向かった。

校舎の端の端、最も奥まったところにあるそこは、あいつの隠れ家的場所らしい。

成績優秀なあいつは、授業をさぼっても咎められることはない。

『パソコン室』

その札が吊るされている部屋は、教室っていうよりもどこかの企業のようだ。

横長の机に薄型のパソコンが２台ずつ、同じ方向を向いて並んでいる。

その一角に、俺の探していたあいつがいた。

「………お、やっと来た。やっほー♪遅かったじゃん、そらる」

「……あぁ。いろいろありがとう。――――スズム」

「素直なそらるは気持ち悪いなぁ。昔はちっちゃかったから可愛かったんだけどさ」

「うるさいっ！」

相変わらず、どこまでも人をからかうのが好きなやつだ。

一言一言が余計すぎる。

しかも昔の俺なんて、もう忘れた。

「あれー？もしかして忘れちゃったぁ～？しょうがないなぁ！ほら」

その声と共に手元のキーボードをいじるスズム。

とてつもなく嫌な予感がするのは気のせいだろうか。

『え～～～ん!!僕のおもちゃ取らないでぇ～!!』

『ねぇそれ僕のケーキぃっ!!』

『わぁ～んっ!!痛いよぉ～!やめてっ!!』

直後流れた音声…………それは、いつか昔に置いてきた可愛く高めの俺の声で。

しかもめっちゃ駄々捏ねて泣いてるし。

「ばっ!!おいスズムっ!!やめろてかいつとったんだよ!?」

「えぇ～？それは企業秘密～。も１こあるよ？」

「やめっ!『スズムくん、あーそーぼー!!』

必死に止めようとする俺の声を無視して流れる音声。

…………なんの当てつけかよ。

『ありがとぉ。スズムくん、大好きだよ？』

穴があったら入りたいというのはまさにこのことだ。

実際出来る事なら今すぐこの場から消えてなくなりたい。

自暴自棄に陥りそうになったとき、ふいにドアの方で大きな音がした。

次いで、甲高い女子の悲鳴。

…………本日２度目の嫌な予感がするのは気のせいだろうか。