秘密 ページ22
俺は、この学校に転入した日に、ろんに会いに行った。
もともとツンデレだなって思ってたけど、ほぼ２年ぶりの再会であそこまでツンツンされるとは思ってなかったから、正直少し傷付いたし悲しかった。
まぁ、もともと俺のせいなんだけど。
それに、急にデレデレされてもどうしていいか分かんないしね。
ろんがいきなり泣き出した時は、考えるよりも先に体が動いた。
別に彼氏でも何でもない男に抱きしめられて、ろんは嫌だったかも知れない。
そんな考えが頭をよぎったけど、泣いているろんを放っておけなかったし、俺は口下手だからきっと思っていることを上手く伝えられなかったと思う。
こんなとき、不器用な自分が嫌になる。
それに、スズムだったらもっと器用にできるんだろうなとか考えるとちょっと凹む。
けれど、泣きやんだろんの一言でそんな気持ちは吹っ飛んだ。
あんな笑顔でお礼言われるとか。不意打ちはずるい。
そんな俺の心中を知ってか知らずか、悪戯っぽく笑う年上の彼女に、
「そっか、じゃあ僕と同じだね」
と言うので精一杯だった。
一人称が狂うとか、どんだけ動揺してんだよって感じだけど、まぁそれは、昔みたいに笑ってくれたろんのせいってことで。
やっぱ、敵わないな。ろんには。
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作者名：ふくふく | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fukufukuka3/
作成日時：2014年11月6日 14時
